「ハイドロキノンはシミを消せる」
美白をしたい!と考えている方なら、1度は耳にしたことがあるはず。
実際にハイドロキノンは、今あるシミ・これからできるシミにアプローチできる強力な美白成分です。
ただ効果が高い分、副作用が出る可能性があるのも否めません。
このページでは、ハイドロキノンの美白作用の仕組みからリスクまでわかりやすく解説します。
【この記事の監修医師】
私のクリニック目白 院長
平田 雅子 先生
1960年生まれ。
医学博士
皮膚科認定専門医 / 日本医師会産業医 / 国際中医薬膳師
日本大学医学部卒業。
東京医科大学付属病院勤務。
同大学助手を退職後、女性専門医療に携わる。臨床の第一線に立ち、毎日500名以上の患者様の診療にあたる。
2003年、医療法人社団 育生会 私のクリニック目白 開設。理事長兼院長。
》私のクリニック目白公式サイト
皮膚を通して総合的に診察するクリニック。
皮膚を診て薬を出すだけではなく、食事や生活面のアドバイスなど、患者さんの生活をデザインいたします。
Contents
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そもそもハイドロキノンとは?
ハイドロキノンは、シミの原因になるメラニン色素を還元できる美白成分。
麦芽やイチゴ類、コーヒー、紅茶などに含まれる天然成分でもあります。
色素沈着によるシミへアプローチして、くすんだ肌を本来の色へ戻すのが主な作用。
この美白効果はコウジ酸やアルブチンの10~100倍とも言われ、「肌の漂白剤」とも呼ばれています。
日本では2001年に認可されてから、医薬品だけでなく、市販の化粧品にも配合されるようになりました。
現在ではクリニックはもちろん、ネット通販や店頭で、ハイドロキノン配合の美白クリームや化粧水を手軽に購入できるようになっています。
皮膚科処方の医薬品と市販品の違い
ハイドロキノンは医薬品と市販品で、成分自体に大きな違いはないのが本当のところ。
日本ではハイドロキノンの配合量に規制がないため、医薬品だから濃い・市販品だから薄いということはありません。
ただ市販品の配合濃度は1%~6%程度とばらつきはありますが、一般的には1~3%がほとんど。
一方で、皮膚科などで処方される医薬品は4%程度で配合される傾向があります。
これは美白効果と安全性を考慮した場合、4%程度が推奨されやすいためです。
詳しくは後述しますが、ハイドロキノンは濃度が高いほど美白効果を期待できます。
ただしその分、副作用が出る可能性も大きくなるのがネック。
もちろん、4%以上~10%程度の高濃度で配合される医薬品もあります。
仮に高濃度でも医師の管理下で配合されるので、トラブルがあったときに対処してもらえるのも医薬品のメリットです。
市販品の場合は、トラブルが起きても自己責任になるのを留意しておきましょう。
また、コスパ面では市販品の方がおトク。
受診料 | ハイドロキノンの値段 | 1年でかかるコスト | |
---|---|---|---|
市販品A | ✕ | 2990円(5g) | (3ヶ月に1回購入) 11960円 |
皮膚科B | 初診料:2000円 再診料:1000円 | 1850円(5g) | (3ヶ月に1回通院) 12400円 |
※3ヶ月に1回購入・受診した場合。
医薬品を処方してもらうには、クリーム代と別に診察代がかかります。
いずれにせよ、購入前にはリスクなどをしっかり知った上でじっくり検討するのが大切。
「とにかくコスパ重視だから市販品を利用する」
「肌が弱めで不安だから、医師と相談しながら使いたい」
など、自分の肌質や目的を考慮して選ぶのをおすすめします。
コスパ&実感力で選ぶなら『LANTELNO White HQ Cream』もぜひ検討してみてください。
ハイドロキノンが効くのは「平坦な茶色いシミ」
ハイドロキノンは幅広い色素沈着に効果を発揮してくれます。
ただし、ハイドロキノンが漂白できるのは「平坦な茶色いシミ」だけ。
肌の浅い部分(基底層~表皮)に出来た色素沈着には、美白効果を期待できます。
【ハイドロキノンで美白できるシミ】
- 老人性色素斑
(加齢・紫外線が原因の一般的なシミ) - 炎症性色素沈着
(ニキビ跡や火傷、アトピー肌の色素沈着) - そばかす
(雀卵斑) - 肝斑
(30~40代女性の頬に出る淡い褐色のシミ)
【ハイドロキノンで美白できないシミ】
- 脂漏性角化症
(高齢者にできやすいイボ) - 太田母斑など真皮層の色素斑
逆に肌の奥深く(真皮層)にできたシミには、残念ながら効果を期待できません。
使用前に、まず1度医師に相談することが望ましいです。
▼ハイドロキノンはトレチノインとの併用で、さらに美白効果が高まります。
ハイドロキノンの働き・美白作用の仕組み
ハイドロキノンの働きを一言でいうと、「シミを作る仕組みそのものをストップさせる」というもの。
ハイドロキノンがどのようにしてシミへ働きかけるのか、まずはそのメカニズムを解説していきます。
ハイドロキノンの働き①
メラノサイトの活性化を防ぐ
ハイドロキノンはメラノサイト※の活性化を抑える働きをします。
※シミのもとになるメラニンを生成している細胞。
メラノサイトは表皮の深い場所に存在していますが、ハイドロキノンは奥底まで潜り込んで効果を発揮します。
つまり、まだシミとして肌表面に出ていない色素沈着を漂白してくれるということ。
言い換えれば、「シミの元そのものを消してくれる」作用があるんですね。
またメラノサイトそのものを減少させるので、新しくシミが出来るのを予防する効果も期待できます。
ハイドロキノンの働き②
メラニンの黒色化を抑える
ハイドロキノンは黒色化するメラニン生成を抑える働きもします。
そもそもシミとは、「チロシナーゼ」という酵素がメラニン色素を黒く変色させた状態のこと。
チロシナーゼは紫外線などの刺激を受けて、メラニンに「シミになれ」と命令しているんですね。
ハイドロキノンはチロシナーゼの働きを阻害して、メラニン色素が黒色化=シミになるのを防いでくれます。
還元作用でメラニンの色を薄くすることも可能
ハイドロキノンには、今あるシミを還元する働きもあります。
還元作用とは、すでにチロシナーゼによって黒色化したメラニン色素を元の状態に戻してくれる働きのこと。
つまり、今あるシミを薄くしてくれる効果があるんですね。
シミを作る仕組みそのものをストップさせながら、今あるシミをケアしてくれる一石二鳥な美白成分といえるでしょう。
▼ハイドロキノンをはじめとした美白成分の働きはこちら。
ハイドロキノンクリーム使用前に知っておくべきリスク
ハイドロキノンは美白効果が高い分、他の化粧品よりも肌に及ぼすリスクがあるのもたしか。
- 赤みやかゆみなど、肌に炎症が起きる可能性がある
- 高濃度のクリームは白斑を引き起こすリスクもある
- 紫外線対策を怠るとシミが今より濃くなることも…
濃度があがるほど副作用が出る可能性も高くなるのを覚えておきましょう。
だからこそ、自分の肌質や目的に合わせて慎重に使用しなければなりません。
事前に「ハイドロキノンを使用してよい皮膚の状態か」を医師に確認してから、使用開始するのをおすすめします。
赤みやかゆみが出ることがある
ハイドロキノンクリームは赤みやかゆみなどの肌炎症が出る可能性があります。
これはハイドロキノンに含まれるピーリング作用がある乳酸によるものです。
クリームを使い過ぎすることで、角質を必要以上に溶かしてしまう恐れがあります。
またハイドロキノンは紫外線に弱く、酸化しやすい成分。
酸化したクリームは品質が落ちて刺激性が高まったり、成分が変質してしまいます。
開封してから長い期間が経過したハイドロキノンクリームは使わないでください。
茶色く変色したクリームを使うと、かえってシミや肌荒れの原因になるので要注意。
輸入品など、商品化されてから時間が経ってしまっているアイテムによく見られます。
安全に美白したいなら、品質が保証された国内製品を選ぶのが理想的でしょう。
白斑(はくはん)を引き起こすことがある
ハイドロキノンクリームを長期間使い続けると、白斑※を引き起こす可能性もあります。
※白斑…クリームを使用した部分だけが白くなり過ぎて目立ってしまう現象
特に配合濃度5%超えのイドロキノンクリームは、6ヶ月使用したら一旦時間をおくのがベター。
だいたい1週間ほど肌状態を観察して、問題ないようなら使用を再開しましょう。
シミが濃くなることがある
ハイドロキノンクリーム使用後に紫外線を浴びた場合、メラニンが過剰に生成されシミが余計に濃くなる恐れがあります。
先ほど解説したように、ハイドロキノンは紫外線に弱い成分。
紫外線に当たると劣化するだけでなく、毒性を持った成分に変質し、色素沈着を起こしかねません。
こうして濃くなったシミはなかなか治りにくいので要注意です。
ハイドロキノンクリームを使い始めたら、必ず日焼け止めを使用するようにしましょう。
→日焼け止めの選び方はこちらをチェック!
▼ハイドロキノンの副作用と対処法を詳しく知りたい方はこちら。
ハイドロキノンは、シミ消し/シミ予防の2つの効果がある一石二鳥な美白成分です。
シミのもとになるメラニン色素の生成を抑えたり、還元作用で今あるシミを薄くしたりしてくれます。
医薬品と市販品に効果の違いはほとんどなく、クリニックやネット通販で手軽に購入できるのもポイント。
コストや肌質によって使い分けるのをおすすめします。
ただし高い漂白効果にともなって、「赤みやかゆみが出る」「紫外線に弱い」などリスクがあるのもたしか。
副作用をしっかりと心得て、正しい使い方で美白ケアの味方にしましょう。
【ハイドロキノンの選び方はこちらをチェック】
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