ハイドロキノンは「肌の漂白剤」とも呼ばれるとおり、シミを薄くする効果を期待できます。
ただ「どれだけシミに効くのか・副作用はないのか」も気になるところ。
そこでハイドロキノンの効果について、医師監修のもとどこよりも詳しくまとめました!
正しい知識をきちんと身につけて、上手に活用していきましょう♪
【この記事の監修医師】
いくこ皮フ科クリニック 院長
末原 郁子 先生
順天堂大学医学部卒業。
2006年 HELENA RUBINSTEIN(ヘレナルビンスタイン)コンサルティングドクターに就任。
皮膚疾患、アンチエイジングなどの美容皮膚の分野で活躍中。
悩みに対するトータルアドバイスを実践する”オーダーメイド医療”で、幅広い年代の方に支持されています。
【所属学会・認定医など】
【この記事でわかること】
- ハイドロキノンの美白効果!1番強力と言われる理由は?
- ハイドロキノンの濃度別に美白効果が出る期間を解説
- ハイドロキノンに副作用はないの?使用上の注意点
- 美白効果を最大限に引き出す!ハイドロキノンの選び方・使い方
Contents
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ハイドロキノンの効果2つ
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ハイドロキノンが持つ効果は2つ。
- シミを薄くする効果(メラニン色素を還元する)
- メラニンを生成する酵素を抑える
肌にどのように作用するのか、仕組みを解説していきますね◎
①シミを”薄くする”効果
ハイドロキノンには”漂白剤”とも呼ばれるほど、強力な還元力(メラニンを分解する力)があります。
そもそもシミなどの色素沈着は、メラニンが原因。
このメラニンの元になる「チロシン」が酸化反応を繰り返して、最終的に濃いメラニン色素になる=濃いシミになる仕組みです。
ハイドロキノンは酸化して濃くなったメラニン色素を、逆の反応”還元”することで色味を薄くできるんですね。
皮膚の表面にあるシミに特に効果的
ハイドロキノンは、そばかすや肝斑、色素沈着を薄くする効果も期待できるといわれています。
- 雀卵斑(そばかす):直径2~3mmの細かい褐色のシミ
- 炎症後色素沈着:肌の炎症が鎮まった後に残る茶褐色のシミ
- 老人性色素斑(日光黒子):褐色から黒色の1cm前後の色素斑
特に、上記の症状に悩んでいる方にはもってこいですよ◎
②メラニンを生成する酵素を抑える
ハイドロキノンは、シミのもとになるメラニンを増やさない効果も期待できます◎
そもそもシミができるのは、メラニン色素を茶色く変色させる”チロシナーゼ”という酵素の働きのせい。
ハイドロキノンにはチロシナーゼの働きを抑制して、メラニン色素を変色させない作用があります。
つまり紫外線を浴びてしまっても、シミが増えるのを抑えてくれるというワケです。
【濃度(%)別】シミはいつ薄くなる?ハイドロキノンの効果が出るまでの期間
ハイドロキノンは、濃度によって美白効果の実感力も変化します。
ここではハイドロキノンの濃度ごとに、効果を実感するまでの期間をまとめました。
濃度 | 効果実感 | 注意事項 |
---|---|---|
1~2% | 半年以上 | 特になし |
2~3% | 4~5ヶ月 | パッチテストを行う |
3~4% | 3~3.5ヶ月 | パッチテストを行う |
4~5% | 2.5~3ヶ月 | 6ヶ月ほど(最長)で 様子を見る |
5~6% | 1~2ヶ月 | 6ヶ月ほど(最長)で 様子を見る |
詳しくは後述しますが、濃度(%)が高くなれば効果の実感が早まる一方、肌への刺激も強くなる危険性があります。
初めてハイドロキノンを使用する方は、まず1~2%の低濃度から試して様子をみるのがおすすめです◎
▼ハイドロキノンの濃度については、以下でも詳しく解説しています
濃度1~2%
ハイドロキノンの濃度が1~2%ほどでは、あまり即効性は期待できないのが本音。
ただ毎日欠かさず使用していれば、半年ほどで「うっすらシミが薄くなってきた」という実感があるますはずです。
濃度2~3%
「美白化粧品」として売られている商品は、ハイドロキノン2~3%のものが多め。
部分的に軽い色素沈着であれば、4ヶ月前後で薄くなってくるでしょう。
濃度3~4%
3%を超えたハイドロキノンは、インターネット通販や店頭などでも購入できる一般的な濃度です。
使い始めてから3ヶ月ほどで濃いめのシミでも少しずつ薄くなってきます。
濃度4~5%
ハイドロキノンの濃度が4~5%くらいになると、入手できるのは皮膚科・クリニックが中心になります。
皮膚科・美容クリニックでは、5%で処方されることが多いです。
2ヶ月を過ぎたあたりから効果を期待できますが、長期使用は肌荒れや白斑のリスクを高めるので慎重に使いましょう。
濃度5~6%
ハイドロキノンの濃度が5~6%くらいになると、早くて1ヶ月程度でシミに対する効果が期待できます。
使用する場合は長期使用を避け、最長6ヶ月ほどで一度肌の様子を確認してください。
短期間で完全にシミを消したいのであれば、ハイドロキノンとレーザー治療を併用するのがおすすめ。
実はハイドロキノンの使用をやめると、徐々に元の肌色に戻ってしまう可能性があります。
継続して効果を保ちたい場合も、同時にレーザー治療もするのがベストです◎
ハイドロキノンの効果を高めるコツ3つ
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ここでは日々のスキンケアにハイドロキノンを効果的に取り入れるポイントを解説します。
①ハイドロキノンの種類は目的・肌質に合わせる
効果と安全性を考慮するなら、ハイドロキノンの種類を使い分けるのが大切です。
実はハイドロキノンには、純ハイドロキノンと安定型ハイドロキノンの2種類あります。
【純ハイドロキノン】
純度100%のハイドロキノンのことを指します。
不純物が混ざっていない反面、成分の安定性が低く・肌への刺激は強め。
一般的なハイドロキノン商品では、次で紹介する「安定型ハイドロキノン」を用いることが多いです。
【安定型ハイドロキノン】
純ハイドロキノンを、他の成分(保湿剤や酸化防止剤)を混ぜて安定化させたもの。
安定性が高く、肌への刺激も抑えられます。
ただし純ハイドロキノンと同じ%表記でも、純ハイドロキノンの1/3くらいの濃度になります。
安定型ハイドロキノンは成分が安定化されているため、酸化しにくく肌への刺激も少ないです。
一方で純ハイドロキノンは、使用期限や保管場所などをきっちり守れる方に向いているでしょう。
ハイドロキノンという名前が付く商品の中には「ハイドロキノン誘導体」と成分表に記載されているものも存在します。
ただこちらはハイドロキノンとは別モノで、αアルブチンという成分のことを指します。
αアルブチンはハイドロキノンとグルコースをα結合させたものであり、ハイドロキノンよりは安全性が高いものの、効果はやや弱いと考えるべきでしょう。
②使用部位に応じて濃度を使い分ける
配合濃度が高いほど効果を期待できるハイドロキノンですが、全体に使うか/ピンポイントに使うかで濃度を分ける必要があります。
- 顔全体の使用:1~1.5%
- シミ等の部分使用:3~4%
- 専門機関レベル:5%〜
上記の濃度を目安に、使う場所や目的ごとに濃度を選んでみてくださいね◎
また初めから4%超えの高濃度ハイドロキノンを使用すると、炎症などの副作用が表れる恐れがあります。
3ヶ月ほど経って満足できない場合は、少しずつ配合濃度を高めていくのがおすすめです。
③洗顔後20分経ってからハイドロキノンを塗る
ハイドロキノンクリームは1日2回、洗顔後20分くらい経った後に使用するのがおすすめ。
≫ハイドロキノンクリームの詳細はこちら
あまり時間を置かずに使用すると、肌の角質層が水分と一緒にハイドロキノンを吸収しすぎる可能性もあります。
シミなど部分的に使用する場合は、綿棒などでごく少量をとってシミの上に塗りましょう。
もちろん待機してる20分間のあいだで、化粧水・乳液で保湿するのも忘れずに!
▼ハイドロキノンの使い方・塗る手順はこちらをチェック。
ハイドロキノンの副作用を防ぐポイント3つ
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ハイドロキノンは、濃度が高いほど効果が期待できるアイテム。
ただ、”美白効果が高い=赤みやかゆみ、ひどい場合は白斑などの副作用“のリスクも…。
ハイドロキノンの副作用は、大きく分けて3つ。
- 白斑あらわれる
→長期的な使用が原因 - シミが濃くなる
→塗布した後に紫外線を浴びた場合 - かゆみ・湿疹・腫れ
→そもそもハイドロキンンが肌に合わない
それぞれ原因・対策が違うので、使用前・使用中にしっかりチェックしておきましょう◎
安全に美白効果を得るために、ここからは使用時の注意点を解説していきます。
①6ヶ月経ったら一度様子を見る
特に初めて使用する方は、必ず6ヶ月経ったら一旦ストップして様子みましょう。
だいたい1週間ほど時間をおいて肌状態をチェックしましょう。
ハイドロキノンは刺激性が強いため、半年連続して使うと肌荒れを引き起こす恐れがあるので要注意です。
②使用後は紫外線に当たらない
ハイドロキノンの使用後は紫外線に当たらないことも重要。
美白効果を最大限に引き出したいなら、就寝前など夜に塗るのがオススメです◎
ハイドロキノンは紫外線に弱い成分なので、日に当たることでシミがもっと濃くなってしまう可能性も…。
もしハイドロキノンを使用して日中に出かけるなら、日焼け止めを塗るなど日焼け対策をしっかりするようにしましょう。。
使用した次の日の朝は、しっかり洗顔することも忘れないようにしてくださいね。
③肌に異常が表れたら使用は即中止→医師に相談する
ハイドロキノン使用中、肌に異常が出た場合は直ちに使用をストップしてください。
- かゆみ・かぶれ
- 赤み
- 皮向け
その後すぐに、皮膚科などの医療機関で医師に相談するのが最優先。
特に肌が弱い人は炎症やアレルギーを引き起こしやすいので、定期的に医師と相談しながら使っていくのが理想です。
ハイドロキノンを正しく使い、効果的なケアを◎
数ある成分の中でも、1番強力な効果を期待できるのが「ハイドロキノン」。
「濃度5~6%なら効果実感は早くて1ヶ月程度」と、濃度が高いほど効果が出るまでの期間が早くなることが期待できます。
ただし、はじめて使う方は1%~2%の低濃度から試して様子をみるのがオススメです。
一方で、使用法を守らないと肌が荒れたり、シミが濃くなってしまうリスクも…。
効果を最大限に引き出すためにも、ハイドロキノンを使う部位で種類や濃度、塗り方を工夫してみてくださいね。
ハイドロキノンの正しいケアをマスターして、安全に使いましょう。
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■参考文献
奈良 実千代, 喜多 知子, 西庄 京子, 松林 照久, 栄田 敏之, 奥村 勝彦, 船坂 陽子, 市橋 正光
『25-P5-07 ハイドロキノン軟膏の製剤学的評価 : 添加剤の影響』,
日本病院薬学会年会講演要旨集9 巻 (1999),p. 235
菊地 克子
『皮膚科における化粧品の役割』,
日本香粧品学会誌41 巻 (2017) 4 号,p. 282-285.
山下 理絵, 松尾 由紀, 近藤 謙司, 遠山 哲彦,
『肌のアンチエイジングに対するレーザー治療』,
日本レーザー医学会誌31 巻 (2010) 1 号,p. 36-41.
水野 優起,
『第18回都民公開講座《皮膚の健康―皮膚をいかに若々しく保つか―》顔がシミだらけにならないようにするためのお話』,
順天堂医学52 巻 (2006) 3 号,p. 437-442.
渋谷 文則, 石井 美津子, 小峰 幸子, 海老 沼広, 高田 裕子, 大森 喜太郎,
『12P-7-48 ヒドロキノンおよびトレチノイン軟膏のメラニン色素沈着症への適用 : 治療期間短縮を目指して』,
日本病院薬学会年会講演要旨集8 巻 (1998),p. 220.
宮坂宗男 谷野隆三郎 平 広之 長 田光博,
『レーザ ー治療におけるハ イ ドロキノン・トリチノイン』,
日本レーザー医学会誌18 巻 (1997) Supplement 号,p. 243-245.
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