「肌がカサカサしてつらい…!とにかく保湿しなくちゃ!」と、適当に保湿剤を選んでいませんか?
そもそも「肌の乾燥ってどんな状態?」を知らない方も、意外と多いかもしれません。
保湿成分は、その時の肌に合ったものを選ばないと効果が半減してしまいます…。
そこで今回は、肌へのアプローチごとに最適な保湿成分をしっかり解説!
あなただけの”迷わない保湿剤選び”をしっかりサポートします。
さらに乾燥肌の改善に役立つ栄養素や食べ物、入浴の仕方などお手入れ方法まで紹介◎
乾燥が本格的に悪化する前に、内側と外側から乾燥肌をやっつけましょう♪
Contents
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乾燥肌の状態とは?原因はバリア機能の低下にあった!
そもそも乾燥肌とは、水分と皮脂が不足している状態を指します。
肌が以下3つの状態にある場合は、肌が乾燥している証拠。
- 肌につっぱりを感じる
- 肌がカサつく
- 粉が吹いている
乾燥は、肌のバリア機能が低下が引き起こした肌の状態です。
肌のバリア機能が低下すると、肌内部の水分を保っておけずにどんどん蒸発してしまいます。
つまり、うるおいの肌を保つカギは肌のバリア機能を保つことなんですね。
▼「乾燥するのにテカる」という方はこちらもチェック
肌のバリア機能とは何?
肌のバリア機能とは、角質層が外部刺激から肌を守る機能のこと。
バリア機能は、3つのピースから成り立っています。
- 皮脂膜 ⇒肌の一番外側を覆い、水分の蒸発を防ぐ
- 角層細胞 ⇒細胞内に潤いを蓄える機能を持つ
- 角質細胞間脂質 ⇒細胞どうしの隙間を満たすもの
このバリア機能がそれぞれ正常に働くことによって、肌が乾燥から守られるんですね。
逆にホルモンバランスや生活習慣、環境によって機能が崩れると、肌内部の水分が逃げやすく、刺激を受けやすい状態に…。
バリア機能を壊す身近な生活習慣と言えば、洗浄力の高い石けんで過度に身体を洗うこと。
肌の一番外側のバリア機能である”皮脂”が流れ落ちてしまい、続けて肌内部の保湿成分も一緒に流れ出てしまいます。
まずは適切な保湿でバリア機能をカバーしながら、習慣を見直して肌の乾燥状態から抜け出すことが大切です◎
【成分】乾燥肌の治し方って?保湿成分の”アプローチ”を知ろう!
乾燥肌から抜け出すには、「保湿成分が何に効果を発揮するのか」の”アプローチ”を知ることが重要。
保湿成分には、大きく分けて4種類のアプローチがあります。
↓タップで項目までスクロールします↓
- 肌内部の水分を保つ(スキンケアの土台作り)
⇒セラミド - 肌に水分を与える(化粧水を染み込ませる)
⇒グリセリン
⇒ヒアルロン酸
⇒コラーゲン - 肌の乾燥を予防する(クリームなどで保湿する)
⇒スクワラン・ワセリン - 硬い肌を軟化させる(スキンケアの効果を上げる)
⇒尿素
ここからはアプローチの特性と、保湿成分について解説していきます。
1.肌内部の水分を保つアプローチ
このアプローチは、肌に与えられた水分をしっかりキャッチして留めておく機能を復活させていきます。
水分を吸い込む「スポンジ」をイメージしてください。
この「スポンジ」が肌に不足していると、角層に水分を留めておくことができません。
そのため、このアプローチは乾燥改善の土台となる一番重要なモノです。
「化粧水やクリームでどれだけ保湿しても、乾燥肌が改善されない…」という方は、下記のセラミドを試してみましょう。
肌内部の水分を保つアプローチ
【セラミド】
セラミドは、肌の一番外側である角質の細胞と細胞の間をうめる脂質のひとつ。
セラミド配合の化粧品を使うことで、実際に角質内部のセラミドが増えてくれるのが優秀ですね◎
※例えばコラーゲンは、肌に塗っても肌内部のコラーゲンが増えるわけではありません。
アトピーなど乾燥状態は、セラミドが不足していることが原因の1つです。
アトピー性皮膚炎患者にみられる乾燥皮膚及びバリアー機能損傷の一因として角層細胞間脂質,特にセラミドの減少が示唆されている。
同資料では、乾燥状態の肌にセラミドの保湿剤を肌に取り入れることで、角質内の水分量が増加が確認されています。
乾燥肌を根本から改善するには、セラミドの摂取が必要不可欠ということです。
2.肌に水分を与えるアプローチ
このアプローチは、単純に肌表面に水分を与えることで乾燥状態を改善します。
普段のスキンケアでは、「化粧水を肌にしみ込ませる」のがこのアプローチにあたります。
乾燥肌改善において、ポピュラーで即効性のあるアプローチです。
グリセリン
グリセリンは医薬部外品の1つで、多くの化粧水のベースとしても使われる成分。
保湿剤を選ぶ際に「グリセリン」の文字を探さずとも、ほとんどの保湿剤に配合されています。
高い吸水性を持っており、その効果は空気中の水分まで吸水してしまうほど!
肌につけると、水分を抱え込んだまま浸透して肌を潤わせてくれます。
保湿効果が高くい&原価が安いため、お財布の負担が少ない保湿剤をお探しの方にもピッタリです◎
ヒアルロン酸
ヒアルロン酸は、ヒトの体内に存在しているゼリー状の物質です。
特徴は、1gで6Lもの水分を保持できるという抜群の保水作用。
この保水作用は、保湿成分のなかでもトップに入るといっても過言ではありません。
化粧品に配合されるヒアルロン酸は、保持した水分を使って肌表面を潤してくれます。
コラーゲン
コラーゲンは、ヒトの体を構成するたんぱく質の一種。
化粧品に含まれるコラーゲンは、その保水作用によって肌表面を潤わせます。
ただし、その保水作用はヒアルロン酸には劣るのが本当のところ…。
乾燥改善でコラーゲンを使いたい理由がない限りは、ヒアルロン酸を使うのがオススメです。
そんなコラーゲンですが、サプリメントとして体内に取り入れることで肌の水分量が増加することが分かっています。
30歳以上を対象とした層別解析で魚鱗コラーゲンペプチド5g以上の摂取により角層水分量の有意な増加が認められた
※コラーゲンペプチドとは、コラーゲンが高分子化されて小さくなったもののこと
スキンケアと一緒に、サプリメントで内側から保湿ケアをするのも1つの手です。
3.肌の乾燥を予防するアプローチ
このアプローチは、水分を含んだ肌に「蓋」をすることで、水分が蒸発しないように守るもの。
たとえば水の入った鍋をイメージしてみてください。
乾燥の酷い冬は、蓋をしないと鍋の水はどんどん水分が蒸発してしまいますよね。
この「蓋を作る」アプローチは、もともと水分の無いカサついた肌ではあまり意味がありません。
事前に、肌にたっぷり水分を与えておくことが重要です。
普段のスキンケアでは、化粧水の後にオイルやクリームを使うのがこのアプローチにあたりますよ。
スクワラン
スクワランは、サメの肝臓や植物から抽出した「スクワレン」を加工したオイルのこと。
この「スクワレン」は、もともとヒトの皮膚にも存在している成分です。
スクワランの特徴は、肌なじみがとても良いところ。
肌に塗ると、皮脂や汗と混ざって皮脂膜※を形成します。
※肌を乾燥から守ってくれる天然の保護膜のこと
この膜は、肌内部の水分をギュッと閉じ込めてくれますよ。
ワセリン
ワセリンは、石油を原料に精製した保湿成分です。
肌への刺激性が少ないことが特徴で、医薬品としても利用されています。
乾燥を防ぐ以外にも、傷や火傷の保護などにも使われている成分です。
スクワランと違い肌なじみはあまり良くありませんが、肌に伸ばせばしっかり水分蒸発を防いでくれますよ。
4.肌のゴワつきを改善するアプローチ
このアプローチは、固くなった角質を柔らかくすることで水分が浸透しやすい状態を作るもの。
肌がカチカチと硬い状態だと、どんなに化粧水をしみ込ませても水分が浸透してくれません。
肌をしっとりと保湿するには、先に角質を柔らかくしてあげることが大切ですよ。
肌がガサガサと乾燥しているのは、主に外部刺激が原因です。
身近なところで言えば、かかとは靴と摩擦があるので硬くなりやすいですよね。
また、アトピーの炎症で掻き壊しを繰り返した肌も角質が厚くなってゴワつきやすい場合があります。
尿素
尿素とは尿に含まれている成分で、肌にもともと存在する「天然保湿因子」のひとつ。
「尿」という文字から臭いイメージを抱く方もいるかもしれませんが、実際は無臭です。
尿素にはたんぱく質を分解する働きがあり、硬くなった角質を溶かし柔らかくします。
ただし、肌の角化が改善したあとも使い続けると、バリア機能を破壊して赤みの原因に…
- ガサガサしている部分にだけ使用する
- 角化状態が治ったら、使用をやめる
使用する際は、以上の2点を守って使用してください。
【食事】乾燥肌を改善する栄養素と食べ物まとめ
ここからは、乾燥肌を改善してくれる栄養素について解説していきます。
この成分はいずれも、健康な肌を作るうえで欠かせない栄養素です。
普段の食事を油の多いジャンクフードやコンビニで済ませていると、上記の栄養素が足りていない可能性が高いです。
乾燥肌を改善するために、食べるモノも意識して選んでみてください◎
①たんぱく質
たんぱく質は肌をはじめ、体を構成する主成分です。
このたんぱく質が不足してると、健康な状態の肌を作ることができません。
たんぱく質は、食事の際にパスタ・お米などの炭水化物ばかり選んでいると不足しがちです。
潤いのある肌作りのためには、下記の食べ物を積極的に取り入れましょう。
タンパク質が豊富な食べ物
- 鶏ささみ
- イワシ
- ブロッコリー
- プロセスチーズ
タンパクを摂るときは、色んな種類のたんぱく質をローテーションして取るのが効果的。
「今日ささみを食べたから、明日は魚からたんぱく質をとろう」という風に、種類を変えるのを心がけましょう。
肌作りの上では、様々な種類の栄養素をまんべんなく取り入れることが大事ですよ◎
②ビタミンA
ビタミンAは皮膚・粘膜を正常に保つのに必要な栄養素です。
NMF(天然保湿因子)の生成を促し、皮膚を正常な状態に保ちます。
身近なところだと、下記の食べ物に多く含まれています。
ビタミンAが豊富な食べ物
- 豚肉
- 鶏レバー
- うなぎ
- 卵黄
- かぼちゃ
ビタミンAはサプリメントを使って摂取するのも1つの手段。
ただし、過剰摂取は肝臓に負担をかける恐れがあります。
サプリメントを使う場合は、パッケージに書かれた用量を守りましょう。
③ビタミンB群
ビタミンB群は肌作りをサポートし、ターンオーバーを促進する作用があります。
またエネルギー代謝を促進し、疲労を解消する効果も◎
特に疲れが取れない状態で肌が乾燥しているときは、ビタミンB群の不足を疑いましょう。
身近なところだと、ビタミンB群は下記の食べ物に多く含まれています。
ビタミンB群が豊富な食べ物
- ビタミンB2:豚肉・納豆
- ビタミンB6:にんにく・まぐろ
- ビオチン:アーモンド・くるみ・アボカド
- ナイアシン:きのこ類・魚介類
上記のように、ビタミンB群には様々な種類があります。
どれか1つだけではなく、複合的にとることで肌を総合的にサポートします。
【Q&A】乾燥肌さんが気になる!乾燥についてのギモンをチェック
Q1.乾燥肌の入浴方法にオススメはある?
乾燥肌の入浴は、下記2つのことに気を付けると良いでしょう。
- お湯に浸かる時間は15分程度にする
- 40度ほどのぬるま湯に浸かる
長時間の入浴・熱い湯は、肌内部の保湿成分(セラミド・NMF)を必要以上に流し出して乾燥肌を悪化させます。
また、体を洗う際も保湿成分の流出を防ぐために泡で優しく洗うことを心がけましょう◎
【補足】一番風呂は乾燥肌に悪影響
一番風呂は心地よいですが、水道水に含まれる塩素が肌の油分を奪ってしまいます。
乾燥肌にとって、油分の流出は避けたいところ。
入浴の際は、塩素の刺激を和らげる工夫をすると良いでしょう。
- 2番風呂に入る:皮脂などの不純物がお湯に交じっているため、塩素の刺激が緩和されます
- ビタミンCを入れる:ビタミンC(アスコルビン酸)は、塩素を除去する効果があります
Q2.肌が乾燥して湿疹が出る…これは何なの?
肌が乾燥して湿疹が出る場合は、ただの乾燥肌ではなく「乾燥性皮膚炎」の可能性があります。
これは、通常の乾燥肌がひどく進行した状態です。
湿疹のほかにひどいかゆみや赤み、水ぶくれなどを併発する場合も…。
改善のためには、皮膚科などの専門機関で薬を処方して貰いましょう。
普段のスキンケアでは、以下2つの保湿成分がオススメですよ。
- スクワラン:殺菌作用があるので、痒みの元である炎症を抑えます
- セラミド:乾燥肌に足りていない成分で、水分を肌で保ってくれます
どちらも、アトピーや酷い乾燥肌にもよく使われる保湿成分です。
Q3.乾燥肌だとどうして”かゆみ”が出るの?
乾燥肌がかゆみを感じるのは、ヒスタミンが分泌されるから。
ヒスタミンとはかゆみを感じさせる物質で、これが神経にはたらくと脳は”かゆい”と感じます。
ヒスタミンが分泌される流れ
- 皮膚から水分が蒸発すると、細胞に隙間ができる
- 皮膚の深部にある”かゆみ”を感じる細胞がむき出しになる
- この細胞が刺激を受け、”ヒスタミン”の分泌を促す
乾燥肌のかゆみには、ヒスタミンの作用を抑制してくれる抗ヒスタミン剤の使用をオススメします。
乾燥肌の治し方について、最後にもう1度おさらいしましょう。
✔保湿成分のまとめ
- 肌内部の水分を保つ
⇒セラミド - 肌に水分を与える
⇒グリセリン
⇒ヒアルロン酸
⇒コラーゲン - 肌の乾燥を予防する
⇒スクワラン・ワセリン - 硬い肌を軟化させる
⇒尿素
✔乾燥肌を改善する栄養素
- たんぱく質
⇒肌・体を作る主成分 - ビタミンA
- ⇒皮膚・粘膜を正常に保つ
- ビタミンB群
⇒ターンオーバーを促進
乾燥肌は、保湿ケア&食事に気を付けることで改善することができますよ◎
悪化する前に、早め早めのケアを心がけましょう!
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