「ビタミンC誘導体の種類って、美白効果はどれも同じ?」
「ビタミンC誘導体の濃度(%)ごとの選び方って?」
ビタミンC誘導体を美白ケアに取り入れたいけど、どう選べば良いのか分からなくて困っている方も多いのではないでしょうか?
ひとことでビタミンC誘導体と言っても、
- 水溶性
- 油溶性
- 両親媒性
の3種類に分かれ、その種類ごとに沢山のビタミンC誘導体が存在します。
今回は、言わずとも知れた美白効果を持っているビタミンC誘導体について、種類と選び方について解説。
自分に合ったビタミンC誘導体を選んで、つやつや美白を目指しましょう!
Contents
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ビタミンC誘導体は3つの種類がある
冒頭でも触れたように、一口で”ビタミンC誘導体”といっても特徴や美容効果の異なる3種類が存在します。
ビタミンCに結合させる物質によって、ビタミンC誘導体は水溶性・油溶性・両親媒性に分けられるのです。
種類 | 特徴 | 浸透率※ | 安定性 | オススメできる肌質 |
---|---|---|---|---|
①水溶性ビタミンC誘導体 | 水に溶ける | 約8倍 | 高い | 脂性肌の方 |
②油溶性ビタミンC誘導体 | 油に溶ける | 約20倍 | 高い | 乾燥肌・敏感肌の方 |
③両親媒性ビタミンC誘導体 | 水にも油にも溶ける | 約100倍 | 低い | 様々な肌質の方 |
この3種類のビタミンC誘導体はそれぞれ使い心地や効果が異なり、美白効果をはじめニキビ肌や年齢肌などへ幅広く使えます。
自分に合ったビタミンC誘導体の種類を見つけるべく、ここからはビタミンC誘導体の種類ごとに、効果や特徴を解説していきます。
①水溶性ビタミンC誘導体の特徴と種類
水溶性ビタミンC誘導体は、その名の通り”水に溶けやすい”性質を持つビタミンC誘導体のこと。
その性質から化粧水・美容液といった水ベースの化粧品に配合されています。
肌に塗ってからすぐに効果を発揮して、そのまま12時間持続。
ビタミンCと比べて浸透率は8倍と言われています。
皮脂の分泌を抑える効果があるため、脂性肌の方にオススメ。
しかし、乾燥肌や敏感肌の方は肌にツッパリ感が出ることもあります。
《水溶性ビタミンC誘導体の表示名》
- アスコルビン酸Na
- アスコルビルリン酸mg
- 2-O-グリセリルアスコルビン酸
- 3-O-グリセリルアスコルビン酸
- ビスグリセリルアスコルビン酸
- 3-o-エチルアスコルビン酸
代表的な成分の詳細情報
②油溶性ビタミンC誘導体
油溶性ビタミンC誘導体は、”油に溶けやすい”性質を持つビタミンC誘導体のこと。
クリーム・乳液などの油がベースになった化粧品に配合されています。
肌に塗ってからゆっくり吸収されて効果を発揮するという特徴を持ち、効果は24時間持続。
ビタミンCと比べて浸透率は20倍と言われています。
しっとりとした使用感で、刺激性が低く乾燥肌・敏感肌の方にオススメ。
脂性肌の方は、使用するとベタつきを感じることがあります。
《油溶性ビタミンC誘導体の表示名》
- テトラヘキシルデカン酸アスコビル
代表的な成分の詳細情報
インナードライ肌の方には
油溶性ビタミンC誘導体ががおすすめ
肌の表面は脂っぽいのに対して、肌の内側がは乾燥している肌状態をインナードライと呼びます。
- 頬は乾いているのに、鼻筋などのTゾーンだけがテカる人
- お風呂上りに放置していると、肌がつっぱってしまう人
などに当てはまる人は、インナードライである確率が高め。
インナードライの人は、皮脂の分泌を抑える水溶性より油溶性ビタミンCで誘導体で潤いを与えましょう。
③両親媒性ビタミンC誘導体
両親媒性ビタミンC誘導体は、水にも油にも溶ける”性質を持つビタミンC誘導体のこと。
化粧水、クリームなどの幅広いタイプのスキンケア商品に配合することができます。
水にも油にも溶けるという性質から、肌への浸透率はとても高くビタミンCと比べて約100倍。
他の2種類よりも値段は高めですが、肌への刺激が低く効果を実感しやすいので様々な肌質の方にオススメできます。
ただ比較的新しい成分のため、厚生労働省にはまだ認可されておらず、臨床データは少なめ。
また両親媒性の”APPS”には酸化しやすいというデメリットがあるので、冷蔵庫で保存して一カ月程度で使い切りましょう。
《両親媒性ビタミンC誘導体の表示名》
- APPS
- APIS
代表的な成分の詳細情報
【肌の悩み別】ビタミンC誘導体の種類の選び方
タップすると拡大します
ここでは下記の肌悩みに適したビタミンC誘導体の種類について解説していきます。
↓項目をタップすると、解説部分までスクロールします↓
- シミを予防したい場合
→両親媒性ビタミンC誘導体 - シミを薄くしたい場合
→両親媒性ビタミンC誘導体
- しわ、たるみを予防したい場合
→油溶性or両親媒性ビタミンC誘導体
- ニキビ肌を改善したい場合
→水溶性ビタミンC誘導体
①シミを予防したい場合
ビタミンC誘導体はメラニン生成に欠かせないチロシナーゼ酵素の働きを抑えることでシミを予防します。
シミ予防に使うビタミンC誘導体は、より浸透率の高い両親媒性ビタミンC誘導体がおすすめです。
ちなみに水溶性か油溶性を使う場合は、濃度3%以上のものだと効果を実感しやすいでしょう。
特に水溶性ビタミンC誘導体であれば、“VCエチル”という成分がよりシミ予防効果に優れています。
②シミを薄くしたい場合
メラニンの濃色を元の淡い色へと還元していくことで、シミを薄くしてくビタミンC誘導体。
この場合もシミ予防と同じく、より浸透率の高い両親媒性ビタミンC誘導体が適しています。
顔の全体にビタミンC誘導体を塗ってから、シミの部分だけ重ね塗りするとより効果的です。
また、肌のターンオーバーを正常な状態に戻し、古い角質をシミと一緒に排出する作用でもシミの改善が期待できます◎
✔併用したい成分①《ハイドロキノン》
すでにあるシミの改善には、ビタミンC誘導体の後にハイドロキノンを使うのがオススメです。
ハイドロキノンはシミ改善とシミ予防の2つの効果を持ち、ビタミンC誘導体の美白効果を加速させます。
ハイドロキノンについて詳しく知りたい方は、以下のページを参考にしてください。
▼ハイドロキノンの美白効果についてはこちら
▼ハイドロキノンを安全に使う方法はこちら
③しわ、たるみを予防したい場合
しわ・たるみを食い止めて肌を若々しく見せるには、油溶性ビタミンC誘導体か両親媒性ビタミンC誘導体がオススメ。
年齢肌による小じわは肌の水分量が減少した事が一つの原因なので、油分の多いクリームタイプのアイテムを使用して、肌の乾燥を防ぎましょう。
ビタミンC誘導体は抗酸化作用を持っており、老化の原因と言われる活性酸素を除去。
コラーゲンの生成サポート作用もあり、肌のハリを生むコラーゲンを生成してしわ・たるみを抑えます。
✔併用したい成分①《ヒアルロン酸》
しわ改善をはじめとしたエイジングケアには、ビタミンC誘導体の後にヒアルロン酸を使うのがオススメです。
角質層に水分を与えながら肌にしっとりした保護膜を作り、ビタミンC誘導体の美容効果をサポート。
ヒアルロン酸は年齢を重ねるとともに減少していくので、30代あたりからスキンケアでも取り入れるといいですね。
④ニキビ肌を改善したい場合
ニキビ肌は過剰に分泌された皮脂が毛穴を詰めることが原因なので、皮脂を抑える作用に長けている水溶性ビタミンC誘導体がおすすめ。
皮脂を抑制するほかにも、ターンオーバーを促進することで古い角質をニキビと一緒に肌の外へ押し出します。
しただ水溶性ビタミンC誘導体は刺激が強めなので、人にってはニキビの炎症に沁みてしまうことがあります。
沁みてしまう場合は、より濃度の低いビタミンC誘導体か、刺激のマイルドな両親媒性ビタミンC誘導体を使いましょう。
✔併用したい成分①《トレチノイン》
ニキビ肌改善には、ビタミンC誘導体の後にトレチノインと併用するといいでしょう。
トレチノインにはビタミンC誘導体以上にターンオーバー促進作用があるのです。
ビタミンC誘導体と併用することで、Wのニキビ改善効果が期待できますよ^^
▼トレチノインの効果ついてはこちら
✔併用したい成分②《トラネキサム酸》
ニキビが赤く炎症を起こしている場合は、炎症を抑えてくれるトラネキサム酸の出番。
トラネキサム酸には、炎症を引き起こす酵素を抑制する抗プラスミン作用を持っています。
炎症のニキビにビタミンC誘導体が染みる場合は、まずはトラネキサム酸で炎症を鎮めましょう。
▼トラネキサム酸の効果ついてはこちら
【濃度(%)別】ビタミンC誘導体の種類の選び方
ここではビタミンC誘導体の濃度ごとに、美白効果や使用感を解説していきます。
%(濃度) | 効果実感 | 使用感 |
---|---|---|
1%以下 | 約半年以上 | 刺激を感じない |
2~4% | 約半年 | ほとんど刺激を感じない |
5~7% | 約3週間 | 刺激を感じる |
8~10% | 約2週間 | かなりツッパる |
濃度によって効果実感は変わってくるので、選び方の参考にしてくださいね。
ビタミンC誘導体の濃度が1%以下
1%以下のビタミンC誘導体は、刺激に敏感な敏感肌の方にオススメ。
濃度が低いだけあってすぐに効果は現れないので、長く使い続けることが重要です。
一般の化粧品はビタミンC誘導体の配合量が表記されていないことが多いですが、基本的には濃度1%程度がほとんど。
そのため、1%以下のビタミンC誘導体を使いたい場合は、
- 皮膚科で処方してもらう
- 粉末のビタミンC誘導体から手作りする
のどちらかが良いでしょう。
ビタミンC誘導体の濃度が2~4%
2~4%のビタミンC誘導体は、「美白効果をしっかり感じつつも、刺激はおさえたい」という方向き。
毎日の美白ケアに取り入れることで、顔のくすみやシミは半年ほどで明るくなっていくでしょう。
はっきりとした美白効果が感じられるのは3%からです。
ビタミンC誘導体の濃度が5~7%
5~7%まで濃度が上がると、3週間ほどで美白効果を実感できるようになります。
その間に毛穴が引き締まる効果も感じられるはず◎
肌の乾燥が抑えられたうえで、
- 抗酸化の作用
- 皮脂を抑制する作用
というメリットを最も効率よく得られる濃度は5%であり、皮膚科で処方されるビタミンC誘導体も5%が多いです。
一方で5%以上のビタミンC誘導体を使用すると、肌への刺激も感じやすくなるので注意してくださいね。
ビタミンC誘導体の濃度が8~10%
ビタミンC誘導体の濃度が8%以上になると、皮膚科やインターネット通販での取り扱いが中心に。
短期間でビタミンC誘導体の美白効果を感じられますが、敏感肌ではつっぱってしまうのでおすすめできません。。
また、ビタミンCは濃度が高いほど劣化しやすく長持ちしないため冷蔵庫に保存して1か月程度で使い切りましょう。
ちなみに8~10%のビタミンC誘導体ですと、
- 美白・毛穴への効果をとても感じた◎
- 肌に刺激を感じるので続けられなかった△
と2つの意見に分かれるので、一番最初は少量から試してみるのがいいですね。
ビタミンC誘導体の種類・選び方で気になる7つのQ&A
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Q.1 ビタミンC誘導体に含まれるビタミンCが多い成分は?
下記は、ビタミンC含有量をランキングにした表です。
順位 | ビタミンC誘導体の種類 | 特徴 | ビタミンC含有率 |
---|---|---|---|
1位 | 3-O-エチルアスコルビン酸 (VCエチル) | 水溶性 | 86% |
2位 | 3-O-グリセリルアスコルビン酸 (VC-3G) | 水溶性 | 66% |
3位 | アスコルビルリン酸Na (APS) | 水溶性 | 55% |
4位 | パルミチン酸アスコルビル酸3Na (APPS) | 両親媒性 | 31% |
5位 | テトラヘキシルデカン酸アスコルビル (VCIP) | 油溶性 | 16% |
2位のビタミンC含有率を誇るVC-3Gですが、肌内部でビタミンCに変換されにくい特徴があるのがネック。
美白効果はそこまで高いと言えないので注意してください。
Q.2 ビタミンC誘導体の浸透率が高い成分は?
以下は、ビタミンC誘導体の浸透率をランキング※にしたものです。
※臨床データが少ない成分はこのランキングに組み込まれていません
順位 | ビタミンC誘導体の種類 | 浸透率※ | 主な成分 |
---|---|---|---|
1位 | 両親媒性 | 100倍 | パルミチン酸アスコルビル酸3Na (APPS) |
2位 | 油溶性 | 20倍 | 3-ラウリルグリセリルアスコルビン酸 (3LGA) |
3位 | 水溶性 | 8倍 | 3-O-エチルアスコルビン酸 (VCエチル) |
Q.1でビタミンCの含有量が多かったビタミンC誘導体は、軒並み肌への浸透率が低いことが分かります。
以上を踏まえ、”美白効果が高い”という観点でビタミンC誘導体を選ぶなら
- 3-O-エチルアスコルビン酸(VCエチル)
- パルミチン酸アスコルビル酸3Na(APPS)
の2つがオススメと言えます。
Q.3 敏感肌に優しいビタミンC誘導体の種類は?
刺激性が低く肌に優しいビタミンC誘導体は油溶性か両親媒性です。
種類 | 刺激性 | 主な成分 |
---|---|---|
水溶性ビタミンC誘導体 | 高 | リン酸アスコルビルナトリウム(APS) |
油溶性ビタミンC誘導体 | 低 | テトラヘキシルデカン酸アスコルビル(VCIP) |
両親媒性ビタミンC誘導体 | 低 | パルミチン酸アスコルビル酸3Na(APPS) |
上記の通り、水溶性ビタミンC誘導体は刺激が強めなので控えましょう。
「敏感肌だけど、水溶性ビタミンC誘導体を使いたい」という方は、以下の成分がおすすめ。
- アスコルビン酸-2-グルコシド(AG)
- 3-O-グリセリルアスコルビン酸(VC-3G)
この2つは肌内部でビタミンCに分解されにくいため肌への刺激が弱めです。
ただしその分美白効果は劣ってしまうので、高い美白効果を求めている方は避けましょう。
Q.4 サプリにもビタミンC誘導体ってある?
サプリメントにもビタミンC誘導体と呼ばれるものがありますが、「肌からの吸収」と「口からの摂取」では過程が異なります。
そのためサプリにおけるビタミンC誘導体は、ブドウ糖とビタミンCを結合させたものに。
この結合によって壊れにくくなったビタミンC誘導体は、体に取り込まれると体内の酵素によってゆっくりビタミンCに分解されます。
ビタミンC系のサプリメントは、一度で250mgしか吸収できません。
そのため一度に大量に摂取するのではなく、1日数回に分けて摂取するのが最も効率的な摂取方法です。
Q.5 イオン導入でのビタミンC誘導体はどの種類がいい?
クリニックでイオン導入を行う際には、肌への浸透率が高い両親媒性ビタミンC誘導体(APPS)が主流です。
ただ、自分の肌状態に合わせて水溶性・油溶性でも問題ありません。
自宅でビタミンC誘導体でイオン導入する際は、
- イオン導入専用の化粧品
- シンプル※な材料で手作りした化粧品
※水・グリセリン・ビタミンC誘導体など
を使うといいでしょう。
※ちなみに市販の化粧品には防腐剤や香料などの成分が入っているため、イオン導入には適していません。
肌の炎症につながる恐れがあるので気を付けましょう。
Q.6 ビタミンC誘導体が肌に合わない場合は?
ビタミンC誘導体が肌に合わない場合は
- 油溶性のビタミンC誘導体を使う
- 低濃度のビタミンC誘導体を使う
などの対策が有効です。
上記の対策でも皮膚が赤くなったりピリピリする人は、ビタミンC自体が肌に合わない可能性があります。
その場合はビタミンC配合の化粧品を避け、サプリメントや食べ物からビタミンCを摂取してみましょう。
▼ビタミンCをはじめとした美白に有効な食べ物はこちら
Q.7 粉末のビタミンC誘導体の利点は?
主にインターネット通販で扱われているビタミンC誘導体の粉末。
自分で化粧品を手作りしたい方は、こうして粉末状になったビタミンC誘導体を使うのが◎
特に便利なのは、安定性が悪く酸化しやすいという特徴を持つ両親和性ビタミンC誘導体“APPS”という成分の粉末です。
水と混ぜ合わせた状態に比べて酸化しずらく、使う直前に粉末を水に溶かすことで成分の劣化を防ぐ※ことができます。
※粉末のビタミンCも、湿気の多い所に置いておくと酸化します
以上、ビタミンC誘導体の種類と選び方についてでした。
最後にもう一度内容をおさらいしておきましょう。
- シミを予防したい
両親和性ビタミンC誘導体or3%以上の水溶性か油溶性 - シミを消したい
両親和性ビタミンC誘導体の重ね塗りがオススメ - しわ、たるみを予防したい
油溶性ビタミンC誘導体でうるおいを - ニキビ肌を改善したい
水溶性ビタミンC誘導体で皮脂を抑制
- 1%以下
美白効果は低いが低刺激 - 2~4%
美白効果の実感は3%から - 5~7%
肌の刺激を抑えたうえで効果が得られる - 8~10%
効果は高いが敏感肌は肌がツッパる
ビタミンC誘導体を上手に選んで、肌悩みのない美白肌を目指しましょう!
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