化粧水や注射治療でよく耳にする「ヒアルロン酸」。
代表的な美容成分だけあり、1gで6Lもの水分を保持できる保水力であなたの肌の潤いを支えてくれている成分です。
今回はそんな知っているようで実は知らない、
- ヒアルロン酸の特徴
(加齢による減少やコラーゲンとの違いなど) - ヒアルロン酸の化粧品・サプリ・注射の効果
- ヒアルロン酸の吸収力を高めるコツ
- ヒアルロン酸商品や治療の副作用
といったヒアルロン酸の特徴や注意点をお伝えします。
今では多くの化粧品に含まれているヒアルロン酸ですが、本ページで成分の特性を理解して正しく活用していきましょう。
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ヒアルロン酸とは?意外と知らない特徴
ヒアルロン酸とはムコ多糖類という糖の一種で、ヒトの体内に存在しているゼリー状の物質。
ヒアルロン酸と並んで有名な「コラーゲン」の隙間を埋めるようにヒアルロン酸は存在しており、真皮層の隙間を満たして肌細胞や美容物質を支えています。
そんなヒアルロン酸のおもな特徴が以下の3つ。
- 1gのヒアルロン酸で2〜6Lの水分を保持できる
- 細胞と細胞を繋げるクッションのような役割がある
- 医療の現場でも活用されている
ヒアルロン酸は自身の質量の約600倍もの水分を蓄える特性があり、この性質が美容成分としても名高い所以。
これだけの保水力を持っているので、裏を返せばヒアルロン酸が不足すると肌の乾燥が深刻になります。
また皮膚だけでなく軟骨や血管にもヒアルロン酸は含まれていて、細胞同士を繋げる役割から体づくりに欠かせない存在です。
最近ではゼリー状の物質であること・細胞のクッションとしての役割から、「関節症の治療」「白内障の手術」といった医療の現場でも一役買っています。
化粧品やサプリのヒアルロン酸となる原料
ヒアルロン酸はヒトの体内にもともと存在している物質。
サプリや化粧品に配合されているヒアルロン酸は、以下の4つの原料が使われています。
- 鶏冠(とさか)から抽出
⇒臨床実験で保湿効果が立証されている - 微生物を発酵させて製造
⇒浸透性が高い - 白キクラゲから抽出
⇒保水力が高い - 乳酸菌を培養して製造
⇒様々な商品に配合しやすい
トサカや微生物、植物性由来の白キクラゲを原料としたヒアルロン酸は、浸透性や保水力が高いのが特徴です。
また乳酸菌をベースとしたヒアルロン酸原料も最近では登場し、様々な商品に使い勝手がいいとされています。
体内のヒアルロン酸は加齢によって減少する
体内にもともと存在しているヒアルロン酸ですが、年齢を重ねるごとに減少していきます。
引用:アロエベラ健康研究室
上記の表からわかるように、30代半ばから体内のヒアルロン酸量はガクッと減少。
60代に突入する頃には、10代のころの半分以下にまで皮膚内のヒアルロン酸は減っています。
先ほどお伝えした通りヒアルロン酸は1gで最大6Lもの保水力があるので、年齢による肌の乾燥やハリの低下はヒアルロン酸の減少が一つの要因です。
また腱内のヒアルロン酸も減るので「歳をとると関節が痛む」といった、関節痛に悩まされるんですね。
体内のヒアルロン酸減少をストップすることは難しいので、ヒアルロン酸を含む食事やサプリ、化粧品でこまめに補うことが健康的な素肌を維持する秘訣です。
ヒアルロン酸を多く含む代位表的な食品がこちら。
- 鶏の軟骨
- フカヒレ
- うなぎ
- 鮭
- 山芋
- オクラ
- 納豆
動物性のヒアルロン酸は普段口にしない食品に多く含まれているので、手軽に食事に取り入れるなら植物性の食品がおすすめです。
肌の乾燥や弾力が気になる方・今のうちから予防したい方は、上記の食材を意識して食事に盛り込んでみてください。
ヒアルロン酸とコラーゲンの違い
ヒアルロン酸と似た成分に「コラーゲン」があり、存在している皮膚の層も同じなので間違われやすい成分です。
2つとも美容成分ですが、以下の通り働きが異なっています。
- ヒアルロン酸:皮膚内の水分を保持する
- コラーゲン:肌のハリと弾力のもとになっている
ヒアルロン酸は皮膚の保水機能を担っていますが、コラーゲンは肌の弾力に大きく関わる成分。
上述の皮膚の断面図にもあったようにヒアルロン酸はコラーゲンの隙間を満たしているので、どちらか一方を補っていればOKというわけではありません。
潤いとハリのある若々しい素肌をキープするためには、ヒアルロン酸とコラーゲンをバランスよく摂取することが重要です。
ヒアルロン酸の4つの効果
ヒアルロン酸をサプリや化粧品、注射注入で摂り入れて期待できる効果が以下の4つ。
- 肌の保湿作用(化粧品・サプリ・注射)
- ほうれい線などのシワの解消(注射)
- ニキビ跡の改善(注射)
- 関節症の予防・改善(サプリ・注射)
はじめにお伝えしておくと、ヒアルロン酸配合の化粧水や美容クリームでは「保湿作用」しか期待できません。
ヒアルロン酸の分子は大きいため、皮膚に塗っても真皮層まで浸透しないからです。
とはいえ成分が肌の表面に留まっている間は保湿してくれるので、より効果を高めるなら外と中からケアするのがいいでしょう。
①肌の保湿作用【化粧品・サプリ・注射】
ヒアルロン酸の最大の美容効果が皮膚の保水作用。
1gで6Lもの水分を保持できるので、ヒアルロン酸を摂取することで乾いた大地に大雨を降らすようにカサついた皮膚にうるおいを与えてくれます。
化粧水を塗布するとヒアルロン酸が肌表面に留まって水分を保持。
保持した水分で少しずつ肌を潤してくれるので、肌のバリア機能向上も期待できるんですね。
特にサプリなどで経口摂取した場合は高い保湿効果が見込め、近畿大学の臨床試験でもヒアルロン酸摂取による保湿効果が明らかになっています。
投与群の被験者に低分子HAを30日間連続服用させた結果、角層水分量および肌のpH値に服用前とは明らかな差が認められ、本剤が皮膚保湿改善効果を持つことが明らかになった。
(出典:鶏冠由来低分子ヒアルロン酸の化学組成とヒト肌への臨床試験による保湿効果)
※HA=ヒアルロン酸
このようにしてヒアルロン酸で皮膚の乾燥が防がれることで、
- ニキビ予防
- 毛穴の引き締め
- 乾燥小じわの解消
- 肌のターンオーバー改善
といった肌トラブルの予防・改善にもつながります。
冬場問わず肌のカサつきが気になる方は、ヒアルロン酸を意識して補ってみてください。
ヒアルロン酸は肌の保湿目的だけでなく、その高い保湿作用から目薬にも応用されています。
またヒアルロン酸には細胞同士をつなぐ性質があるので、角膜損傷の治癒促進としても効果的。
コンタクトレンズによる角膜の傷治療として、実際に眼科から処方されています。
②ほうれい線の解消【注射】
ヒアルロン酸注射で直接皮膚に注入することで、“ほうれい線”といった溝の深いシワの解消に効果的です。
引用:Very Sophisticated Treatment
ヒアルロン酸注射によるシワ解消の仕組みは上記画像の通とおり。
シワの溝にヒアルロン酸を注入すると、ゼリー状のヒアルロン酸が内側から皮膚を持ち上げてシワを目立たなくしてくれます。
ちなみに乾燥が原因による小じわなどは、ヒアルロン酸が肌を保湿することで解消が見込めます。
水分の少ないドライフルーツはシワシワになるのと同様に、ヒトの皮膚も水分が不足すると縮小して小さなシワができやすくなるのです。
ヒアルロン酸注射をすればすぐにシワを目立たなくできますが、目立ったシワがないのであれば小まめにヒアルロン酸で乾燥対策しておくといいでしょう。
③デコボコしたニキビ跡の改善【注射】
ヒアルロン酸注射はデコボコしたニキビを目立たなくする治療にも役立っています。
仕組みは前述のシワ解消と同じで、ニキビで凹んだ部分の皮膚を内側から盛り上げる方法です。
ニキビ跡による皮膚の段差は、美容アイテムではなかなか解消できません。
オデコや頬など、目立ったニキビ跡がある方はヒアルロン酸治療をチェックしてみてください。
またヒアルロン酸で保湿機能を高めることで、肌のバリア効果もアップ。
外部刺激によるニキビ発生を予防するためにも、ヒアルロン酸の保湿ケアも欠かさず行なっていると安心です。
色素沈着によるニキビ跡の改善を希望される方は、メラニン色素にアプローチする「ハイドロキノン」という美白成分をチェックしてみてください。
④関節症の予防・改善【サプリ・注射】
ヒアルロン酸による関節症へのアプローチは代表的な効果の一つ。
特にヒアルロン酸が不足することが原因の「変形性関節症(※)」に対して有効とされていて、アメリカの研究機関からも報告されています。
※変形性関節症は、関節の軟骨が変形することで引き起こる関節症です。
Na-HA注射療法は、滑液中のHA濃度を増加させることにより関節軟骨に保護効果があり、同様に関節軟骨の異化に対する抑制効果があります。
上記の試験結果によると、ヒアルロン酸は関節の軟骨保護に効果があると報告されています。
変形性関節症は軟骨が変形することで痛みを伴うので、ヒアルロン酸で軟骨を保護することで症状の緩和が期待できるというわけです。
ヒアルロン酸が不足すると顎や膝の軟骨が変形しやすくなるので、保湿効果とあわせてヒアルロン酸でサポートしてみてください。
ヒアルロン酸の吸収力を高めるポイント
化粧水や美容クリームでヒアルロン酸を塗布する場合は、なかなか皮膚に吸収されません。
肌にヒアルロン酸が留まっている間しか保湿作用を得られないので、毎日継続的にスキンケアすることが重要です。
エレクトロポーションとは専用機械で肌に電気を流して、皮膚の奥に成分を浸透させる方法。
電気を流すことで肌の電気バリアが緩み、ヒアルロン酸のような高分子の成分でも肌の奥にしっかり届けられます。
専用の美顔器はネット通販や電気量販店で購入でき、手頃なものだと1万円台。
エレクトロポーション以外にも通常の美顔器としても使えるので、興味のある方はチェックしてみてください。
ヒアルロン酸の効果を実感するまでの期間
ヒアルロン酸配合のサプリや化粧品で変化を感じられる期間は約1〜2ヶ月。
保湿作用はすぐに感じられるでしょうが、保湿による小じわ解消やターンオーバーの正常化までには最低でも1ヶ月以上は必要です。
上述で紹介したヒアルロン酸の経口摂取による保湿作用でも、「30日の実験で変化があった」と報告されています。
1ヶ月以上のスパンが必要なのは、肌の細胞が生まれ変わるのに28日の期間が必要だから。
28日かけて少しずつ新しい肌細胞に生まれ変わるので、すぐにヒアルロン酸の効果を実感できないんですね。
また化粧品やサプリで補ったヒアルロン酸は体内に蓄積されません。
体内で分解されてしまうので、継続して補ってください。
ヒアルロン酸の化粧品には副作用はなし
ヒアルロン酸配合の化粧水や美容クリームには、原則として副作用はありません。
もともと体内に含まれている成分ですし、化粧品ではヒアルロン酸は体内まで浸透しないので安全性が高いです。
といっても上述でお伝えした通り、化粧品に含まれるヒアルロン酸は「動物性」「植物性」があるのでアレルギーには注意が必要。
特にヒアルロン酸の原液をつかう際は、パッチテストをしてから塗布するといいでしょう。
ヒアルロン酸サプリも基本的に副作用は報告されていません。
しかし1日の上限摂取量は1750mgとされていて、上限量以上の摂取は便秘や頭痛を引きこす可能性があるので注意してください。
1日の目安量は240mgなので、サプリの含有量も意識して選ぶといいでしょう。
ヒアルロン酸注射には注意が必要
ヒアルロン酸注意には以下のような副作用が考えられるので、クリニックの医師ときちんと相談の上で利用してください。
- 腫れ
- 痛み
- ショック症状
- 発疹
- 赤み
ニキビ跡やほうれい線の解消でヒアルロン酸を注入すると、ヒアルロン酸が馴染むまではむくんだように膨れ上がります。
ヒアルロン酸注射を希望される方は、このようなリスクも踏まえた上で治療を検討してください。
「ヒアルロン酸・コラーゲン・プラセンタ」といった3大美容成分の中でも、ヒアルロン酸は保水力に特化した成分でした。
質量の約600倍もの水分を保持できるので、ヒアルロン酸不足は乾燥肌の大きな原因です。
またヒアルロン酸の不足は関節症を引き起こす可能性を高めるので、美容だけでなく健康のためにも補ってあげましょう。
◎ヒアルロン酸の効果
- 肌の保湿作用【化粧品・サプリ・注射】
- ほうれい線の解消【注射】
- デコボコしたニキビ跡の改善【注射】
- 関節症の予防・改善【サプリ・注射】
▲ヒアルロン酸の副作用
- 化粧品やサプリでは目立った副作用・アレルギーはなし
- ヒアルロン酸注射は腫れや痛みなどの副作用がある
ヒアルロン酸だけではシミ解消や弾力アップは難しいので、他のスキンケアと掛け合わせて活用するのがおすすめです。
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