「トレチノインって肌にどんな効果をもたらすの?」
「ハイドロキノンと併用するといいって聞いたけど…」
“トレチノイン+ハイドロキノンは美白効果がバツグン”というのは有名な話。
実は美白だけでなく、皮膚の若返りにも効果的って知っていましたか?
今回はトレチノインの効果的な使い方について、基礎知識や手順まで詳しく解説していきます。
【この記事でわかること】
- トレチノインのターンオーバの促進効果で美白・美肌に◎
- ハイドロキノンとの併用で美白効果アップ!仕組みとやり方
- トレチノインは刺激が強い…使用する前に知っておきたい注意点
Contents
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そもそもトレチノインにはどんな美白効果・美容効果があるの?
トレチノインとは、ビタミンA誘導体(別名レチノール)のこと。
米国ではFDA※の認可を受けており、ニキビやしわの治療薬として使用されています。
※アメリカ食品医薬品局。
日本の厚生労働省ではまだ認可されておらず、医師の院内製剤・個人輸入でのみ使用可能です。
またはクリニックで処方してもらうこともできます。
トレチノインに期待できる美白効果
トレチノインの美白作用は”肌のターンオーバーを活性化させて古い角質を排出&新しい皮膚を作る”こと。
(参考:ターンオーバーと美白の関係性とは?今すぐできる肌の生まれ変わりを助ける方法)
古い角質と一緒に色素沈着した角質も排出するので、シミやそばかすを薄くする美白効果が期待できます。
トレチノインを使用し始めて2~3日経つと、次第に皮膚が赤くなりポロポロと皮が剥け始めます。
この反応はトレチノインの効果が正常に働いている印。
使用を中止すれば徐々に回復し、キレイな肌へ生まれ変わる手助けをしてくれます。
皮剥けが気になる人は、マスクなどで顔を隠すといいでしょう。
美白だけじゃない◎トレチノインのもつ美容効果
トレチノインにはニキビ・毛穴開き・小ジワといった年齢による肌悩みを改善する効果もあります。
《トレチノインの美容効果》
- 毛穴開き改善
⇒皮脂の分泌を抑制する - ニキビ改善
⇒古い角質を剥がし新しい皮膚を作る
⇒皮脂の分泌を抑制する - 小ジワ改善
⇒コラーゲンの分泌を高める
⇒ヒアルロン酸の分泌を高める
《ニキビ改善》
トレチノインは余分な皮脂分泌を抑えてくれるのでニキビの改善に効果的です。
そもそもニキビは、皮脂の分泌が多いせいで毛穴が詰まってしまうのが原因。
ニキビができている皮膚の表面を剥がすピーリング作用があり、ニキビ跡の改善にも効果が期待できます。
《毛穴開き改善》
トレチノインには毛穴開きを改善する効果があります。
毛穴開きの原因は、肌の乾燥によって皮脂の分泌が過剰になること。
トレチノインは皮脂の過剰な分泌を抑える作用で、毛穴開きを徐々に改善していきます。
《小ジワ改善》
トレチノインには肌内部のコラーゲンとヒアルロン酸の分泌を促進する作用もあります。
上記2成分の分泌量が増えることで、いま存在するシワの改善が期待できますよ。
トレチノインとハイドロキノンを併用すると美白効果がアップ!
トレチノインとハイドロキノンを併用することで、よりハイドロキノンの美白効果を高められます。
ハイドロキノンの高い還元力※とトレチノインのピーリング作用の組合せが、高い美白作用をもたらします。
(※参考:ハイドロキノンクリームとは?シミを消す美白のメカニズムを解説)
下記のような、通常の美白ケアでは改善できないシミにも有効です。
- 老人性色素斑
- 炎症性色素沈着
- 肝斑
- そばかす※やや時間がかかります
特に肝斑は女性ホルモンの関係で生成される色素沈着なので、スキンケアでは薄くするのが難しいとされるシミ。
ハイドロキノンにプラスしてトレチノインを加えることで、肝斑も効率的に薄くなることが期待できます。
▼ハイドロキノンの美白効果についてはこちら。
ハイドロキノンとトレチノインの美白への働き
まず、トレチノインが肌のターンオーバーを促すことで、シミが沈着した古い角質を垢として排出する働きは活発になります。
続いて肌に作用したハイドロキノンは、メラニン生成に欠かせないチロシナーゼ酵素の働きを抑制し、新しくメラニンが作られるのを抑制。
この2種類の働きを同時進行することで、すでにあるシミを薄くし、これからできるシミ対策への相乗効果が見込めます◎
トレチノインとハイドロキノンを併用する時の使い方
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ここでは、トレチノインとハイドロキノンの使用方法について解説していきます。
《トレチノイン・ハイドロキノン使用手順》
- 肌を保湿する
- トレチノインを塗る
- ハイドロキノンを塗る
- 翌日、外出前に洗い流す
※ハイドロキノンとトレチノインのケアは夜に行うこと
どちらも肌への刺激が強い成分なので、使用法をよく守りましょう。
1.肌を保湿する
肌をきれいに洗ってから、化粧水や乳液でしっかり保湿してください。
保湿を行うことで、肌に油分のバリアができハイドロキノンによる炎症が起こりにくくなります。
このとき、ビタミンC誘導体を使うと美白効果がさらに増すのでオススメ。
敏感肌の方は、油溶性のビタミンC誘導体が刺激が少なく使いやすいですよ。
2.トレチノインを塗る
トレチノインをシミなど肌の気になる部分に塗ります。
綿棒を使って、シミ部位からはみ出さずに塗ってください。
このとき気を付けるのは、皮膚の薄い部分を避けて、擦らずにポンポンとやさしく塗ること。
手にトレチノインが付いてしまった時は、皮剥けを防ぐためすぐに水で洗い流しましょう。
✔トレチノインだけ使用する場合
トレチノインだけで使用する場合は、朝昼問わず肌に使用できます。
なぜなら、トレチノインはハイドロキノンと違って光毒性※を持たないから。
※紫外線に当たると毒性を持ってしまうこと
ただし、使用中は紫外線に対するバリア機能そのものが低下しているので、なるべく紫外線は避けましょう。
3.ハイドロキノンを塗る
2.で塗ったトレチノインが乾いたら、ハイドロキノンを同じ部分に塗ってください。
ハイドロキノンは、綿棒を使ってシミ部位より広めに塗ること。
こちらも、擦らずにやさしく塗ってください。
4.翌日、外出前に洗い流す
ハイドロキノンを使用した部位は、外出前に水で洗い流してください。
肌に残ったハイドロキノンは、紫外線を浴びると酸化して炎症や色素沈着などの肌トラブルを引き起こす原因となります。
ハイドロキノン・トレチノインの使用後はいつもより肌が敏感になっているので、
- 室内にいる場合:保湿
- 外出する場合:保湿+日焼け止め
といったケアを忘れずに行いましょう。
トレチノインの使用上の注意点5つ
トレチノインを使用するうえでの注意点をまとめました。
安全にトレチノインで美白ケアするためにも、使用前には目を通しておきましょう。
①トレチノインの使用はピンポイントで
トレチノインは刺激の強い成分なので、色素沈着部位へピンポイントで使ってください。
顔全体へトレチノイン使用してひどい皮剥けが起こった場合、大変苦しい思いをすることに…。
- 0.25%程の低濃度のトレチノイン使う
- 耳かき一さじ程を精製水に混ぜて使う
- 目や口の周りにワセリンを塗って保護する
(参考:ワセリンの原料は石油って本当?肌への安全性や副作用、保湿以外の便利な使いみち6つもチェック)
上記に注意すると、炎症を抑えられます。
トレチノインを顔全体に塗りたい場合は、事前にクリニックへ相談するのをおすすめします。
②トレチノイン使用部位に刺激を与えない
トレチノインの使用中の皮剥けはムリに剥がしたり、掻いたりしないのが鉄則。
皮剥けが起こっている部分はとてもデリケート。
刺激を受けると、刺激から肌を守るためにメラニンが生成されて色素沈着しかねません。
- 皮を自分で剥がさない
- 部位を掻かない
- ピーリング剤を使わない
上記のことに気を付けて日常生活を過ごしましょう。
③開封後1ヶ月ほどで使い切る
トレチノインは高温や光に弱く、劣化するのが早い成分なので開封後は1ヶ月ほどで使い切るのも大切。
劣化したトレチノインは、効果が無くなってしまうので、もったいないですが捨てましょう。
④UV対策をする&保湿をする
トレチノイン使用中は、UV対策と保湿を徹底してください。
皮膚の皮剥けが起こるトレチノイン使用期間は、刺激から肌を守るバリア機能が低下。
肌が日に焼けやすくなっているので、UV対策で紫外線から肌を守りましょう。
- 日焼け止めを塗る
- 日傘をさす
- 帽子をかぶる
また保湿剤は、できるだけ刺激の少ないものを使用すると◎
皮剥けの肌にも優しく、肌のバリア機能をサポートするセラミドがおすすめですよ。
➄妊婦は使用しない
今現在妊娠している方や、これから赤ちゃんを望んでいる方は、赤ちゃんに影響が出るリスクがあるため、トレチノインを使用してはいけません。
影響が出る可能性は低いものの、「トレチノイン使用中は避妊をする・婦中の使用はやめる」のを守ってリスク回避してください。
トレチノインを使う際に気になるQ&A
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Q1.トレチノインに副作用はある?
トレチノインは顔の赤み、刺激感や色素沈着などの副作用があります。
※もともと、トレチノインは血液中に流れている成分のためアレルギーを起こすことはありません。
顔の赤み、刺激感について
トレチノインの使用により、顔に赤みや刺激を感じることがあります。
この炎症はトレチノインが肌に効いている証拠ですが、あまりにもひどい場合は工夫して様子を見ながら使用してください。
- トレチノインの濃度を下げる
- 精製水と混ぜて使用する
- 休憩を挟んで使用する
(3日使ったら1日休むなど)
色素沈着について
トレチノインを使用すると痒みや刺激感があるため、患部(皮剥け部分)に触ることでシミなどの色素沈着が表れることがあります。
これは前項の”トレチノイン使用上の注意点5つ”で記したように、絶対に肌は擦ったりしないようにしてください。
また使用を始めて最初の3週間ほどはとても痒みを感じますが、次第に落ち着いてきます。
どうしても痒みに耐えられない場合は、氷や保冷剤を清潔なタオルでくるんで患部を冷やして痒みを紛らわせるといいでしょう。
Q2.皮が剥がれない場合はどうすればいい?
1週間たっても皮が剥がれない場合は、トレチノインの濃度を上げることが1つの解決策。
濃度を上げる以外では、下記が有効です。
- 朝晩2回トレチノインを使う
- 少しだけ厚めに塗る
- トレチノインをラップでパックする
また長い期間トレチノインを使っていると、耐性ができて皮が剥けなくなることも…。
その場合は、4週間ほどの休薬期間を設けてから、トレチノインを再開してください。
Q3.トレチノインを水で薄めて使って大丈夫?
トレチノインの効果が強すぎる場合は、水で薄めて使用しても構いません。
水道水で薄めても構いませんが、肌の弱い人は精製水や軟水※のミネラルウォーターで薄めると良いでしょう。
※ミネラルの多い硬水は、人によっては肌の負担になります。
薄めたトレチノインは、1日以上放置すると雑菌が繁殖して危険なので、その場で使い切りましょう。
Q4.トレチノインは肌のたるみにも効果がある?
トレチノインが効果的なのはちりめん状の小シワまでで、それ以上の深いシワ・たるみに対して効果を出すことは難しいです。
顔のたるみは、以下の2つが大きな原因。
- 皮膚内のコラーゲンやエスラチンが減少する
- 老化によって顔の筋肉が衰えてしまう
顔のたるみには、フェイスエクササイズで顔の筋肉を鍛えることや、ヒアルロン酸などハリを高める成分でケアをするしかないでしょう。
Q5.皮剥けが起こっている時もお化粧をしていいの?
トレチノイン使用中も、いつも通りにお化粧してもOK。
その場合は、UVカット入りのクリームやパウダーを使用すると良いでしょう。
トレチノインの皮むけが酷いと化粧品がのりにくいですが、皮を剥いたりせずにやさしく使用してください。
最後にトレチノインについて、もう一度おさらいしましょう。
✔トレチノインの美容効果
- ニキビ改善
- 毛穴開き改善
- 小ジワ改善
✔トレチノインの美白効果
- ターンオーバーを促進し、メラニンが沈着している角質を除去
★続けてハイドロキノンを使用すると美白効果UP
トレチノインは肌への刺激が強い成分ですが、使用法を守れば美肌・美白に非常に有効です。
かしこく使って透明感ある肌を目指しましょう。
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