代表的な美白成分のハイドロキノンと並び、美白成分でメジャーなのがトラネキサム酸という成分。
あまり聞き慣れない美容成分ですが、
- 肌荒れ改善
- 肝斑の解消
- シミの解消
など女性のスキンケアには欠かせない作用があります。
今回はそんなトラネキサム酸の効果や副作用、他美容成分との違いについてご紹介。
肝斑や肌トラブルに悩んでいる女性は、一読してみてください。
Contents
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トラネキサム酸とは?止血剤としての一面も
トラネキサム酸は人工的に合成されたアミノ酸。
詳しく解説すると、タンパク質を構成する必須アミノ酸「リシン」を元に作られたアミノ酸の一種です。
(参考:【アミノ酸とは】保湿機能・ダイエット効果アリ!疲労回復もできるって知ってた?)
出血や炎症を抑える作用があることから、止血剤や抗炎症剤(風邪ぐすりなど)としても用いられています。
(身近なところだと扁桃炎による喉の痛み止め・風邪薬に配合されているので、耳にしたことがあるかもしれません。)
- 止血
- 扁桃炎
- 口内炎
- 湿疹
- 蕁麻疹
トラネキサム酸の元になっているリシンには、“プラスミン”という血液を溶かす成分のはたらきを抑える作用があります。
プラスミンを抑制することで、血液凝固が正常になり止血効果を発揮。
加えてプラスミンはアレルギーといった炎症も引き起こす成分なので、リシンの効果で止血と併せてカラダや肌の炎症を抑えられるというわけです◎
トラネキサム酸と他美白成分との比較
止血剤や抗炎症剤の一面があるトラネキサム酸ですが、他のメジャー美白成分とどう違うのか比較して見ていきましょう。
成分名 | 美白効果 | 即効性 | 刺激 |
---|---|---|---|
トラネキサム酸 | (1ヶ月~2ヶ月で効果発揮) | ||
ハイドロキノン | (1ヶ月~2ヶ月で効果発揮) | ||
ビタミンC誘導体 | (シミ、シワに効果的) | (ビタミンC誘導体の種類によっては早い) | |
コウジ酸 | (2ヶ月~3ヶ月で効果発揮) | ||
アルブチン | (約20日で効果発揮) | ||
トレチノイン | (ニキビ、シワに効果的) | (1ヶ月~2ヶ月で効果発揮) |
トラネキサム酸も他の美容成分も、それぞれに得意分野があるので甲乙つけ難く一長一短。
トラネキサム酸にスポットを当てると、即効性に少々欠けるといったところです。
とはいえトラネキサム酸は美白効果と抗炎症作用があるので、美白だけでなく肌トラブルにも効果的。
また肌への刺激が少なく、副作用はほとんどありません。
トラネキサム酸は肌に低刺激な上に美白&美容にアプローチする、バランスのとれた美白成分です。
トラネキサム酸の即効性をグンッと高めるならイオン導入を施すのもあり。
イオン導入は肌に微弱な電流を流して、トラネキサム酸を肌の奥まで届ける施術方法です。
引用:日比谷ヒフ科クリニック
電流を流してトラネキサム酸の浸透力を高めることができるので、そのまま使うよりも効果バツグン。
自宅で使えるイオン導入機器も市販されているので、興味がある方は併せてチェックしてみてください。
トラネキサム酸の美白効果は?”効かない”ってホント?
「薬の成分なのに、なんで化粧品に使われているの?」と思う方もいるでしょう。
トラネキサム酸の美白効果で大きなポイントとなるのが、メラノサイトの抑制と抗炎症作用。
この2つの作用によって以下3つの効果を実感できます。
- シミの解消
- 肝斑の解消
- ニキビや湿疹の改善
美白効果だけでなく、肌トラブル改善の美容効果も得たい方にはおすすめです。
トラネキサム酸の美肌効果には「効果がない」といった口コミもありますが、これは使用する期間が関係。
トラネキサム酸を塗ったからといって1週間2週間では大きな変化はなく、効果をきちんと実感するまでには1~2ヶ月のスパンが必要です。
肌細胞の生まれ変わりサイクル(ターンオーバー)は通常28日~40日。
トラネキサム酸の作用もターンオーバーに沿って発揮されるので、最低でも1ヶ月はかかります。
【効果①】しみ・色素沈着の解消
トラネキサム酸の代表的な効果の一つがシミの解消。
そもそも顔のシミは肌のメラノサイト(色素細胞)の働きにより、色素沈着の原因物質がつくり続けられることで引き起こります。
※ペンキ塗り業者がひっきりなしに素肌を黒く塗っているイメージです。
しかもシミ部分は軽い炎症を起こした状態で、メラノサイトが活性化を継続。
そこでトラネキサム酸の「メラニン色素の抑制」「抗炎症作用」が本領を発揮します。
トラネキサム酸配合の化粧品を塗ることで、
- メラノサイトの根本的な抑制
- シミの炎症抑制
といった2つにアプローチしてシミや色素沈着を薄くできるんですね。
今あるシミの炎症悪化を抑えて、新しくシミができるのを防げます。
【効果②】女性特有の肝斑にも有効
ほほ骨あたりにできる“肝斑(かんぱん)”にもトラネキサム酸は有効。
肝斑患者11名にトラネキサム酸0.75~1.59/日 を投与した。投与 開始後1~2カ 月後には,11例 全て において着色の軽減を認めた。投与を中止すると,1~2カ 月後 には着色の程度は旧に復した。副作 用は認めなか った。 トラネキサム酸の内服療法 は肝斑の治療法と して きわめて優れた治療法と考えた。
(出典:肝斑に対するトラネキサム酸療法)
2007年には肝斑の改善効果があると医薬品として認可されました。
肝斑はシミのように紫外線だけが原因ではなく、女性ホルモンの乱れも関わっています。
※特に女性ホルモンが乱れやすい妊娠の時期には、肝斑を引き起こす可能性があります。
トラネキサム酸は女性ホルモンに影響するのではなく、あくまでも肝斑を作っているメラノサイトへアプローチ。
メラノサイトを抑制することでシミと併せて、肝斑も改善へ導きます。
ちなみに通常のレーザーや光治療では肝斑に逆効果で、レーザー・光治療では改善しにくいです。
効果的に肝斑を改善するためにも、トラネキサム酸は欠かせません。
【効果③】ニキビなどの肌荒れ改善
トラネキサム酸には抗炎症作用もあるので、
- ニキビ(赤ニキビ)
- 湿疹
- 蕁麻疹
といた炎症による肌トラブルの改善も期待できます。
特にアクネ菌の炎症で赤くなる“赤ニキビ”に効果的でニキビ悪化を防止。
赤ニキビは跡になりやすいですが、トラネキサム酸でニキビの炎症を防げば二次的な肌トラブルも起こりません。
また抗炎症作用によってアレルギー症状が和らぐので、湿疹・蕁麻疹などのアレルギー性の肌荒れにも有効です。
トラネキサム酸はニキビの予防・改善だけでなく、過去にできたニキビの跡も解消できます。
ニキビ跡もシミ・肝斑と同様に色素沈着が原因。
そのため何度もお伝えしてきたトラネキサム酸のメラノサイトの抑制効果で、ニキビ跡を解消できます。
トラネキサム酸配合の化粧品に副作用はある?
トラネキサム酸配合の化粧品による副作用は稀ですが、絶対に副作用がないわけではありません。
肌にトラネキサム酸が合わない方だと、肌に赤みがでる場合も少なからずあります。
敏感肌で肌トラブルが不安な方は、パッチテストをしたり医師に相談したりして使いましょう。
またトラネキサム酸は日焼け止めとの併用もOK。
最近では「トラネキサム酸配合」の日焼け止めが出ているほどで、日焼けとシミをダブルで対策できます。
トラネキサム酸はメラノサイトに影響しますが、白斑になる可能性はまず考えにくいとのこと。
メラノサイトが死んでしまって白斑になるリスクはまず考えにくい…(中略)
トラネキサム酸そのものが細胞毒性を持っているわけではないので、メラノサイトが死ぬことはありません。
あくまで“メラノサイトの働きを抑える”だけです。
飲み薬の場合は「食欲不振」などの影響がある…
トラネキサム酸配合の化粧品を塗ってつかう場合は、ほぼ副作用はありません。
しかし飲み薬として服用すると、
- 食欲不振
- 吐き気
- 血栓(50代以上がほとんど)
といった副作用が起こる可能性もあります。
また人工透析の患者だと痙攣の症状が表れた事例もあるので注意が必要。
今後トラネキサム酸を服用されるときは気をつけましょう。
トラネキサム酸は美白効果だけでなくニキビ改善などの美容効果もあり、様々な角度からスキンケアを支える有効成分でした。
特にシミ・肝斑への改善が代表的な効果で、医薬品としても注目を集めています。
◎トラネキサム酸の効果
- シミ・色素沈着の改善
- 肝斑の改善
- ニキビなどの肌荒れ改善
◎トラネキサム酸の副作用
- 赤みが出る程度
※ただし肌に塗る化粧品などで副作用が出る可能性は極稀
またトラネキサム酸の効果を十分に実感するためには、1~2ヶ月続けることが重要。
成分の浸透力をアップさせるなら、市販のイオン導入機器を使うのも一つの手です。
美白だけだなくニキビなどにも悩んでいる女性は、トラネキサム酸配合の化粧品をチェックしてみてください。
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