「胎盤」から抽出されるエキスこそ「プラセンタ」。
赤ちゃんを形成する胎盤由来ということもあり、人の健康になくてはならない成分です。
現在では化粧品だけでなくサプリやドリンク、注射治療もあり、1度は耳にしたことがあると思います。
様々な方面で応用されているプラセンタは、美肌効果を期待できる成分が盛りだくさんです◎
◎化粧品やサプリの効果
- シワの緩和
- 美白効果
- 美容成分をつくる細胞の増殖 など
◎注射の効果
- 肌トラブルの改善
- 更年期障害の緩和
- 肝機能や健康疾患の改善 など
このページではプランセンタの効果はもちろん、意外と知られていない特徴まで完全網羅しています。
さらに、即効性で美容・健康効果の高いと話題の「プラセンタ注射」の副作用についても解説。
「プラセンタを使ってみたい!」という方は、ぜひチェックしてみてください!
Contents
スポンサーリンク
プラセンタとはどんな栄養素を含んだ成分?
プラセンタとは冒頭でお伝えした通り「胎盤」の抽出エキスで、
※プラセンタを日本語訳すると胎盤という意味になります。
- アミノ酸
- タンパク質
- 糖質
- ビタミンB群やビタミンCなど
- 酵素
- ペプチド
- 核酸
といった様々な栄養素が含まれています。
“胎児を発育させる器官”だけに、人間に必要な栄養素が豊富。
ヒト以外の哺乳類動物は出産時に胎盤を食べる習性があるほどです。
人類も紀元前400年ごろから、若さを保つためにエジプトのクレオパトラが活用していたとされています。
そんなプラセンタは研究で次々に有用性が解明され、現在では医療の現場でも応用されている成分です。
プラセンタは胎盤の抽出エキスなので、普段口にしている野菜や肉類からは摂取できません。
胎盤を食べるわけにもいきませんから、サプリ・ドリンク・化粧品・注射などで補うしかないです。
プラセンタ商品の原料は豚や馬の胎盤
サプリや化粧品をはじめとするプラセンタ商品の原料は、豚や馬の胎盤から採取したもの。
特に豚を原料にした「豚プラセンタ」が原料の中ではポピュラーです。
豚は1度の出産で約10頭も出産するため、胎盤がしっかりしていて安定して採取できるんですね。
一方、医療機関などの医薬品として使われるプランセンタは“ヒト由来”のプラセンタ。
出産時に排出された胎盤を採取し、医薬品の原料にしています。
ヒト由来のプラセンタは高い効果が見込めますが、医療機関のみの取り扱い(※)。
※参考:聖心美容クリニック
市販されているサプリや化粧品の原料には使われていません。
プラセンタはプラセンタエキス・原末に別れる
俗にいうプラセンタは胎盤そのもの。
製品として使用するためには、
- プラセンタエキス
- プラセンタ原末
といったものに加工する必要があります。
プラセンタエキスはいわば「プラセンタの原液」で、8割以上が水分です。
製品に配合しやすいですが、水分量や不純物が多いのが欠点。
一方でプラセンタ原末は、プラセンタエキスから水分や不純物を取り除いたものを指します。
プラセンタの必要な栄養素だけが濃縮されているので、商品を選ぶときは原末加工のものを選ぶといいでしょう。
間違われやすいプラセンタとコラーゲンの違い
プラセンタは美容成分として「コラーゲン」と似た成分と思われがちですが、栄養素や作用は全く異なります。
【プラセンタ】
- アミノ酸・タンパク質・ペプチド・ビタミンなど栄養素が多い
- 美容作用だけでなく疲労回復や血行促進などの健康維持にも役立つ
【コラーゲン】
- 栄養素はタンパク質のみ
- 肌にハリ・潤いを与えたり、関節や骨の形成をサポートする
プラセンタは栄養素を多く含んでいますが、コラーゲンはタンパク質のみ。
またコラーゲンはみなさんがイメージしている通り、美肌効果が強い成分です。
「美白作用やシワ解消などならプラセンタ」「肌の弾力つくりならコラーゲン」と目的ごとに使い分けてみてください。
プラセンタ化粧品やサプリの効果6つ
プラセンタ配合のサプリやドリンク、化粧品にはおもに6つの効果があります。
- シミ改善などの美白効果(服用・塗布)
- 抗酸化作用によるシワの解消(服用・塗布)
- 美容物質の生成に必要な細胞の増殖(服用・塗布)
- 抗炎症作用によるニキビやアトピー改善(服用・塗布)
- ホルモンバランスの改善(服用)
- 疲労回復や二日酔いの緩和(服用)
①シミ改善などの美白効果(服用・塗布)
シミを改善して白い素肌を取り戻す美白効果が期待できます。
プラセンタには、シミや黒ずみの原因である「メラニン」の過剰生成を抑えるはたらきがあります。
アメリカの研究機関でも、胎盤抽出物(プラセンタ)がメラニン合成を効果的に阻害すると報告されています。
各種アミノ酸、ミネラル、胎盤抽出物中に高濃度であり、および増加表皮ターンオーバーによるメラニン合成及び皮膚からメラニンの効果的な阻害が報告されている。
プラセンタはメラニンをつくる物質を損失させるわけではないので、化粧品による白斑の影響はありません。
またプラセンタは肌細胞を劣化させる物質を抑える作用も期待できるので、加齢によるシミの抑制にも効果的です。
*美白には「ハイドロキノン」「ビタミンC誘導体」なども有効です。
肌の白さを取り戻したい方は、下記ページもあわせて目を通してみてください。
▼ハイドロキノンの成分特徴や美白効果の詳細はこちら
▼ビタミンC誘導体の成分特徴や美白効果の詳細はこちら
②抗酸化作用によるシワの解消(服用・塗布)
シワや肌のたるみの原因である、「活性酸素」の肌細胞のダメージを減らす効果も期待できます。
そもそも加齢によるシワやたるみは、活性酸素によってターンオーバーが乱れることが原因の一つ。
プラセンタは抗酸化作用によって、肌細胞へのダメージを抑制します。
肌の生まれ変わりのサイクルが正常に機能するので、シワの少ない若々しい素肌をキープできるんですね。
③美容物質の生成に必要な細胞の増殖(服用・塗布)
美容成分を生成する細胞の増殖因子によって、自然と美容成分を作りだす作用があります。
プラセンタには、成長因子の1つである線維芽細胞増殖因子が含まれています真皮のなかにある線維芽細胞を増殖・活性化する力を持っておりコラーゲン・エラスチン・ヒアルロン酸の3成分を再び活性化させて、肌のハリを取り戻します。
(引用:椿クリニック)
つまりプラセンタは、健康的でキレイな肌を保つのに欠かせない成分を増やしてくれるというわけです。
- コラーゲン:肌に弾力・ハリを与える
- ヒアルロン酸:肌の潤いを支える
- エラスチン:コラーゲンを支える繊維で肌の弾力の大元
コラーゲンやヒアルロン酸は肌のハリや潤いに必須。
ただ年齢とともに減少し、サプリや化粧品でサポートはできても成分量を増やすことはできません。
プラセンタはコラーゲンやヒアルロン酸を産みだす細胞そのものを増やすので、本当の意味で“肌の若返り”ができるというわけです。
また、前述の抗酸化作用と相まってシワの緩和にも役立ちます。
▼コラーゲンの詳しい特徴や美容効果はこちら
▼ヒアルロン酸の詳しい特徴や美容効果はこちら
④抗炎症作用によるニキビやアトピー改善(服用・塗布)
プラセンタには抗炎症作用があるので、ニキビやアトピーといった肌の炎症の改善にも役立ちます。
肌の炎症を抑える働きがあるので、肌の炎症鎮静に効果的です。
また前述のとおり、肌の潤いを保つ「ヒアルロン酸」を生成してくれるので、肌の保湿力を高めてバリア機能の向上してくれます。
またプラセンタは壊れた組織修復を促す作用もあるので、やけどによる炎症にも有効です。
⑤ホルモンバランスの改善(服用)
プラセンタはホルモン分泌機能の正常化が見込めます。
乱れたホルモン分泌機能を助ける、アミノ酸やビタミン類といった栄養素が豊富なんですね。
特に女性の生理機能の正常化に効果的で、生理不順の改善に役立ちます。
プラセンタサプリやドリンクを服用すると、生理が早まったり経血の量が一時的に増えますがホルモンバランス正常化の好転作用。
プラセンタを経口摂取を続けることで改善されるので、安心してください。
何より”ホルモンを補充する”のではなく”ホルモン分泌機能にアプローチする”ので、ホルモン補充によるリスク(乳がんなど)がないのもうれしいですね。
⑥疲労回復や二日酔いの緩和(服用)
プラセンタには、
- 血行促進
- 肝機能のサポート
といったはたらきがあるので、疲労回復や二日酔い緩和も望めます。
「二日酔い防止⇒飲酒前にプラセンタ」「二日酔い緩和⇒飲酒後にプラセンタ」というように摂取してみてください。
さらにプラセンタは、アミノ酸やビタミンB群など肉体疲労の回復に役立つ栄養素が多いので強壮作用もアリ。
プラセンタを摂取することで、虚弱体質の改善や病後の体力回復にも役立ちます。
プラセンタ注射に危険性や副作用はある?
プラセンタの美容・健康効果を手っ取り早く感じたいなら、プラセンタ注射も1つの手段。
筋肉や皮下に直接注入するものの、プラセンタは副作用が極めて少ない製剤です。
妊娠中であっても、プラセンタ注射による胎児への安全性(※)は確認されています。
(参考:女性のこころのクリニック)
しかし極稀に、
- 赤み
- 悪寒
- 発疹
- 頭痛
といった症状がでることがあるそうです。
過去に注射や点滴で上記のような症状を起こした方は、事前に医師に相談しておくといいでしょう。
またプラセンタ注射薬で赤みやかゆみが出ても、投与をやめれば直ぐに治ります。
注射部位に「疼痛、発赤」などの副作用が起こることもありますが、これらは半日程度で消えることがほとんどです。他にも、プラセンタ注射薬が「たん白アミノ酸製剤」であるためアレルギー反応が起きたり、閉経後の月経再開がみられることもまれにありますが、すぐに投与を止めれば治ります。
(引用:医療法人社団さくらライフ)
プラセンタ注射薬の投与を考えている方は、病歴などを医師に伝えた上で安全に投与していきましょう。
《プラセンタ配合のサプリ・ドリンク・化粧品の安全性》
プラセンタ商品の経口摂取や化粧品による塗布でも、基本的には副作用なしで使えます。
ただ市販のプラセンタ商品は動物由来(豚・馬・海洋生物)で、プラセンタ自体にも栄養素が多いです。
動物性由来のプラセンタはアレルギー症状がでる可能性があるので、下記に注意してください。
- 動物性のアレルゲンがある方の服用・塗布
- 医薬品や複数のサプリとの飲み合わせ
サプリやドリンクは、少量であれば飲み合わせを気にしなくてもOK。
ただし複数のサプリや健康ドリンクを服用していると、栄養の過剰摂取になりかねないので要注意です。
病気の治療薬を飲んでいる方も、服用前に医師に相談した方が安全でしょう。
プラセンタ注射で期待できる効果3つ
プラセント注射はプラセンタを注入する場所や、使用する薬剤によって効果の即効性や対応する疾患が変わってきます。
【注射方法】
- 皮下注射:痛みが少なくリーズナブル
- 筋肉注射:皮下注射よりも効果の即効性が見込める
【種類】
- ラエンネック:肝臓疾患の治療薬
- メルスモン:更年期障害や乳汁分泌不全の治療薬
【値段】
- 1本500円〜2,000円ほど
また注射代もクリニックによって大きく異なるので、無理なく通えるクリニックを見つけてみてください。
上述した美容効果を得られるのはもちろんですが、健康効果が大きいのがプラセンタ注射のメリット。
ここからは、“プラセンタ注射ならでは”の特徴・効果について解説します。
①更年期障害の治療
プラセンタは更年期障害の治療薬として厚生労働省から認可(※)されています。
※参考:よつば皮膚科
そもそも更年期障害は女性ホルモンの分泌低下に伴って引き起こる症状。
プラセンタを注入すると、ホルモン分泌を正常化する作用によって症状改善が期待できます。
40代を超えた女性で、
- 顔が火照る
- 汗をかきやすい
- 動悸・息切れがする
- 気分の浮き沈みが激しい
といった症状に身に覚えがある方は、プラセンタ注射で改善していきましょう。
②肝機能障害の治療
プラセンタは肝細胞を増やしてくれるので、肝臓の疲労回復に効果的。
ラットを用いた実験ではありますが、プラセンタの肝細胞増殖作用は試験報告されています。
ラットの初代培養肝細胞を用いたin vitro実験系において、本剤を加えた群は、対照群に比較して有意なDNA合成促進を示した。
(出典:ラエンネック添付文書)
この肝機能へのアプローチから、以下のような肝臓疾患の治療にプラセンタ注射は応用。
- 慢性肝炎
- B型・C型肝炎
- アルコール性肝炎
- 脂肪肝 など
「酷い二日酔いをすぐに緩和させたい!」という方でも、サプリやドリンクよりプラセンタ注射が効果的です。
※プラセンタ注射はにんにく注射のように、一時的な健康促進のためん投与することもできます。
③腰痛や関節痛、肩こりなどの緩和
プラセンタの多種多様なはたらきから、体の痛みや慢性的な肩こりの治療にもプラセンタ注射は応用されています。
- 腰痛:プラセンタの疲労回復作用による腰の筋肉回復
- 関節痛:プラセンタの線維細胞増殖因子で関節のコラーゲン生成がアップ
- 肩こり:プラセンタの血行促進作用
筋肉に直接プラセンタを注入しているので即効性があり、有効性が高いのが特徴。
特に関節痛は年齢とともに減ってしまったコラーゲン生成をプラセンタで促せるので、根本的な改善に効果的です。
プラセンタ注射は副作用が少ない注射薬ということもあり、週1回の頻度で投与できます。
4週間の投与でプラセンタの効果を実感する方が多いそうです。
投与をやめると投与前の状態に戻りやすいので効果を持続させたい方は、週に1回通院するといいでしょう。
プラセンタを効果的に摂取・塗布する方法
サプリ・ドリンク・化粧品をはじめとするプラセンタ製品を効果的に取り入れるなら、以下のポイントを意識して活用してみてください。
- サプリ:夕食後から就寝前の間にぬるま湯で飲む
- ドリンク:夕食後から就寝前の間に飲む
- 化粧水・美容液:化粧水を塗ってイオン導入で浸透させる
ホルモンの分泌や肌のターンオーバーが促されるのは夜の22時〜深夜2時の間。
この時間までに美容成分を摂ることで、効率よく美肌づくりや体づくりができます。
プラセンタのサプリやドリンクも、22時までに服用して美肌づくりを活発にしてあげましょう。
またプラセンタの化粧水や美容液は、イオン導入をすることで皮膚の奥まで浸透しやすくなります。
イオン導入とは微弱な電流を流して一時的に肌のバリアを緩め、美容成分を直接浸透させる方法。
プラセンタもイオン導入で浸透力がアップするので、角層深くまでプラセンタを届けたい方はイオン導入機能がある美顔器を使ってみてください。
服用や塗布でプラセンタの効果を感じる期間
プラセンタ配合のサプリ・ドリンク・化粧品をつかって、美容効果を感じるまでの期間は1ヶ月〜3ヶ月。
疲労回復を目的としたサプリ・ドリンクなら、短時間で効果を感じやすいです。
しかし経口摂取でも塗布でも、美容目的だと効果発現に即効性がありません。
というのもヒトの細胞が生まれ変わるサイクルは、おおよそ28日間。
1ヶ月経たないうちは古い細胞のままなので、最低でも1ヶ月以上は摂取しないと効果を感じられないんですね。
スキンケアのためにプラセンタ製品を使う方は、3ヶ月間は使い続けてみるのをオススメします。
目的別のプラセンタの活用方法
病気の治療ではなく美容や健康のためにプラセンタを考えている方は、以下を参考にどの方法で摂取するか決めてみてください。
メリット | デメリット | |
---|---|---|
化粧品 | 肌に直接プラセントを浸透できるので、肌のアプローチに集中できる。 | 塗布だけでは皮膚の奥まで届かないので、一時的な効果しかない。 |
サプリ | クセがなく飲みやすい。ドリンクタイプよりもリーズナブル。 | 水がないと服用できない。 |
ドリンク | 水がなくても飲める。 | プラセンタの含有量が多いとクセがあり、サプリよりも値段が高い。 |
注射 | 効果の有効性が高く、効果実感までが早い。 | 週に1回クリニックに通院する必要がある。 |
言わずもがなですが、もっとも効果が高く即効性があるのはプラセンタ注射です。
プラセンタの美容効果・健康効果をしっかり実感したい方は、注射投与を選んでみましょう。
美容目的でコスパよくプラセンタを活用するなら、化粧水や美容液で肌に塗布するのがおすすめ。
一時的な効果にはなりますが、肌に直接塗ることで肌に集中的にアプローチしてくれます。
可能であればサプリで内側からケアした方が好ましいですが、難しい方は化粧品のプラセンタを塗布するといいでしょう。
また経口摂取なら、サプリを選ぶとコスパが良く飲みやすいです。
プラセンタドリンクは1本500円ほど。
サプリは1ヶ月分で1,000円〜2,000円なので、ドリンクの10分の1以下のコストで続けられます。
またプラセンタは独特のえぐみ・クセがありますが、サプリなら無味なので気になりません。
美容製品で耳にするプラセンタは、美容だけでなく健康促進にも有効な成分。
胎児を発育させるための“胎盤”から抽出されるエキスだけあり、医療の現場でも活躍しています。
◎プラセンタの服用・塗布による効果
- シミ改善などの美白効果
- 抗酸化作用によるシワの解消
- 美容物質の生成に必要な細胞の増殖
- 抗炎症作用によるニキビやアトピー改善
- ホルモンバランスの改善
- 疲労回復や二日酔いの緩和
◎プラセンタ注射の医療効果
- 更年期障害の治療
- 肝機能障害の治療
- 腰痛や関節痛、肩こりなどの緩和
注射でプラセンタを直接投与するとなるとリスクがある印象ですが、医療機関で扱う薬剤なので副作用はかなり少ないです。
ただし、摂取方法で即効性やアプローチが異なります。
あなたの目的にあった方法でプラセンタを活用してみてください。
スポンサーリンク