ここ最近いっそう、美白成分で注目されている「コウジ酸」。
コウジ酸はお酒や発酵食品につかわれる“麹(こうじ)”から作られています。
100年以上も前に発見されており、意外にも歴史が深い成分なんですね。
今回はそんなコウジ酸の詳しい効果から、ハイドロンキノンやビタミンC誘導体との違いの比較を紹介。
コウジ酸は肝斑への有効率が90%以上もあると試験結果が出ているので、肌のくすみに悩んでいる方はイチオシの成分です。
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コウジ酸とは?原料は発酵に必要な“菌”だった!
高い美白効果が期待できる「コウジ酸」は、1907年に日本で発見された天然由来成分。
冒頭でもお伝えしたとおり、お酒や発酵食品に使われている麹(こうじ)から生み出された成分です。
そして酒造り職人の手が白いことに注目が集まり、研究が開始されました。
研究も進み1988年には“美白成分”として厚生労働省に認められ、現在では多くの美容液などの主成分となっています。
そもそも麹とは米や麦、大豆などの穀物を食品発酵させるために有効なカビを繁殖させるための“カビ菌”。
麹菌に美白・美容効果が隠れていたのは意外ですね。
コウジ酸とハイドロキノンなどの違いを比較!
麹菌から発見されたコウジ酸。ハイドロキノンをはじめとする美白成分と、どのように違うのか比較してみました。
美白効果 | 即効性 | 刺激 | |
---|---|---|---|
コウジ酸 | (2ヶ月~3ヶ月で効果発揮) | ||
ハイドロキノン | (1ヶ月~2ヶ月で効果発揮) | ||
トラネキサム酸 | (1ヶ月~2ヶ月で効果発揮) | ||
ビタミンC誘導体 | (シミ、シワに効果的) | (ビタミンC誘導体の種類によっては早い) | |
アルブチン | (約20日で効果発揮) | ||
トレチノイン | (ニキビ、シワに効果的) | (1ヶ月~2ヶ月で効果発揮) |
コウジ酸に着目してみると美白効果の高さと低刺激がポイント。
詳しくは後述しますが、コウジ酸の肝斑や黄ぐすみへの有効率は90%以上です。
皮膚科や厚生労働省の臨床実験からもコウジ酸の効果はお墨付き。
効果が高いにもかかわらず安全性が高く、大きな副作用は認められていません。
即効性にはやや劣りますが、「使い続けたい!」と思える確かな実力を秘めています。
【効果】コウジ酸の美白へのはたらき
コウジ酸は「美白効果がある」と一言でいっても、詳しく見ると以下の3つの効果に分かれます。
◎コウジ酸の3つの美容効果
- 肝斑やニキビ跡の改善
- シワの原因を食い止める
- 抗糖化作用で黄ぐすみを目立たなくできる
コウジ酸は肝斑やニキビ跡の改善だけでなく、年齢による黄ぐすみの原因にもアプローチ。
今の肌トラブル改善だけでなく、将来的な肌トラブル予防にも有効です。
①肝斑やニキビ跡などの色素沈着にアプローチ
コウジ酸は色素沈着による肝斑(かんぱん)やニキビ跡などの改善に有効で、その有効率はなんと90%以上と報告されています。
肝斑では平均 10 カ月の連用で 36 名中全治~有効 34 名,有効率 94.4%であった。
コウジ酸には、メラニンをつくり出す酵素“チロシナーゼ”の原動力を奪うはたらきがあります。
車からエンジンを奪って走れなくするイメージです。
メラニンをつくるチロシナーゼの働きを抑えることで、肌の色素沈着にアプローチ。
なかなか消せないニキビ跡や女性特有の肝斑も、コウジ酸なら肌の内側に浸透して働きかけてくれます。
②シワを原因から食い止める
コウジ酸は今あるシミを薄くできるだけでなく、シミの原因を食い止めて新しいシミの抑制にも効果を発揮。
前述したように、コウジ酸はメラニンを作るチロシナーゼの働きを抑えます。
それだけでなくコウジ酸はメラニンが作られる前にチロシナーゼに作用しメラニン生成を阻害。
- 情報伝達物質
- 活性酵素
- 炎症
メラニン生成に関わる上記3つにダメージを与えることで、効果的にシミ発生を防ぎます。
いち早くシミの発生を食い止めて、みなさん本来の肌色に導けるのがコウジ酸の美白力のヒミツです。
③抗糖化作用で黄ぐすみを目立たなくできる
コウジ酸は肝斑やシミの改善だけでなく、糖化(とうか)による黄ぐすみを目立たなくする効果もあります。
糖化とはタンパク質や脂質が“糖”によって変性すること。
タンパク質は糖によって「AGEs」や「ALEs 」という異常タンパク質に変貌し、しわやたるみ、年齢による肌の黄ぐすみを引き起こします。
コウジ酸はそんな年齢による肌トラブルの原因「AGEs」「ALEs 」の生産を抑制する作用が◎
コウジ酸の皮膚の黄色化および透明度低下に対する改善効果が,AGEs および ALEs の産生を抑えることによるものと推定し検討した。その結果,コウジ酸は AGEs および ALEs 産生抑制作用を示すことが明らかとなった。従って,コウジ酸の外用は色素沈着症の改善だけでなく,黄ぐすみに対しても有用であると考える。
(出典:コウジ酸の顔面黄ぐすみに対する改善効果)
臨床試験によって、コウジ酸の人並み外れた抗糖化作用による黄ぐすみの改善効果が認められました。
このようなカラダの内側からくる肌トラブルにも、コウジ酸は一役買って透明感のある素肌づくりに貢献します。
コウジ酸の効果実感までの期間は「2ヶ月以上」
上述でも少しお伝えしましたがコウジ酸の効果は即効性がなく、2ヶ月~3ヶ月の期間が必要。
効果は、早いものでは投与後1ヶ月で認められたものもあったが、全体としては3ヵ月で66.6%の症例が認められ、平均すると3.7ヵ月であった。
コウジ酸配合のクリームを使用した実験によると、66%以上の方が3ヵ月で効果を実感したそうです。
コウジ酸は肌のターンオーバー(※)に合わせて少しずつ効果を発揮。
※肌のターンオーバーは1~2ヵ月周期です。
「肝斑改善の有効率90%以上」「くすみの原因物質を97%抑制」など、十分な美白効果を得るためにも継続することが重要です。
【副作用】コウジ酸にアレルギーはある?
コウジ酸では副作用が限りなく起こりにくいです。
安全性について、1.85%にかゆみが認められたが、継続投与可能であり特に問題にならず、(中略)最高11年5ヵ月投与した症例においても副作用は認められなかった。
臨床実験でもわずか1%の方に痒みがあったものの、健康上問題なかったとのこと。
さらに11年以上もコウジ酸配合クリームを使い続けても、大きな副作用は認められませんでした。
くわえて厚生労働省からも「安全性に特段の懸念はない」とされ、コウジ酸は安全性の高い美白成分であることがわかります。
コウジ酸は安全性が高く、基本的には副作用がない成分。
しかし“100%安全”というわけではなく、接触性アレルギーも考えられます。
肌にアレルギー反応がでやすい方は念の為、コウジ酸配合の美容液をつかう前に医師へ相談しておくと安心です。
麹菌が原料だが“発がん性はない”
はじめにお伝えしたとおり、コウジ酸はコウジカビと呼ばれる菌が原料。
そのため「発がん性は大丈夫?」と健康被害を気にされる方もいるでしょうが、厚生労働省の実験でも発がん性の科学的根拠はないとされています。
またこの実験では通常よりも多量(500mg)のコウジ酸配合クリームを使用。
化粧品ごとの適量をまもって使えば、発がんなどの健康被害はまずないでしょう。
コウジ酸による白斑の可能性はない
コウジ酸をはじめとする美白成分で気になる“白斑”。
肌の一部の色素が抜けて白くなる症状ですが、コウジ酸での白斑症例は報告されていません。
というのも白斑はメラニンの親玉「メラノサイト」という物質が、消失することが大きな原因。
コウジ酸には、このメラノサイトを消失させる作用はありません。
あくまでコウジ酸はメラニン生成に関わる「チロシナーゼ」の働きを抑えるもの。
商品ごとの適量を塗っていれば、コウジ酸で白斑が起こる可能性は限りなく少ないです。
【塗り方】コウジ酸配合クリームの使用手順
コウジ酸クリームを使用する手順がこちら。
- 洗顔(朝、晩)
- 化粧水を塗ったらコウジ酸クリームを塗布
- 乳液で保湿しながら美白成分を閉じ込める
- メイクをする場合はこのままメイクへ
コウジ酸配合の美容液は、一般的に朝と晩の2回塗り込みます。
朝なら洗顔後、夜なら化粧を落とした後に使用しましょう。
そして塗る際は、少量(小粒程度)をシミや色素沈着の部分に塗布。
最後に乳液でケアすることで、コウジ酸の成分を閉じ込めて浸透力をグッと高められます。
メイクされる方は、コウジ酸クリーム塗布後にそのままメイクして問題ありません。
※上記はあくまで一般的なコウジ酸クリームの塗り方です。商品ごとに使用方法が異なる場合があるので、用法用量を確認して使用してください。
お酒や発酵食品に使われていた麹ですが、美白成分の一面も認められたコウジ酸。
さまざまな実験から効果が認められ、まだまだ注目される可能性を秘めている成分でした。
◎コウジ酸の美白効果
- 肝斑やニキビ跡などの色素沈着にアプローチ
- シワを原因から食い止める
- 抗糖化作用で黄ぐすみを目立たなくできる
◎コウジ酸の副作用
- 11年以上使い続けても大きな副作用はなし
- 発がん性や白斑のリスクも報告・科学的根拠なし
コウジ酸クリームの効果を十二分に実感するためにも、2~3ヵ月は継続が必要。
美白効果は確かなので、本来の透明感ある素肌を取り戻すために正しく使っていきましょう。
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