デリケートゾーンの乾燥やかゆみ、なかなか相談しづらいですよね。
ただ乾燥が悪化すると炎症を起こす恐れもあるので、保湿するのが最優先。
デリケートゾーンの保湿ケアは、意外と市販のクリームやオイルでケアしてOKなんです!
ただし商品選びには注意が必要。
デリケートゾーンは皮膚が薄いので、いつもの保湿剤が合わない可能性もあります。
このページでは、そんなデリケートゾーンの乾燥の原因や保湿のやり方を解説します。
【この記事の監修医師】

ポートサイド女性総合クリニックビバリータ 院長
清水 なほみ 先生
2001年 広島大学医学部医学科卒業
広島大学附属病院産婦人科、中国がんセンター産婦人科、
ウィミンズウェルネス銀座クリニック虎の門病院産婦人科を経て、
2010年9月「ポートサイド女性総合クリニックビバリータ」を開業
婦人科・女性内科診療のエキスパート。
“心身の健康を自分の力で取り戻す”サポートに尽力し、多くの女性ユーザーから支持されています。
【所属学会・認定医など】
日本産婦人科学会専門医、日本不妊カウンセリング学会認定カウンセラー
Contents
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デリケートゾーンの乾燥で起こるトラブルと原因
デリケートゾーンの乾燥は女性ホルモンや生活習慣、ケア不足によって引き起こされます。
- ホルモンバランスの乱れや変化
- ムダ毛処理による肌のダメージ
- 肌に合わないナプキンの着用
- 洗いすぎ
- 腟炎から引き起こされる外陰炎
- ヘルペス感染の治療後に残るダメージ
特に40代後半以降のデリケートゾーンの乾燥は、ホルモンバランスの変化が大きな原因。
加齢により女性ホルモンが減ると、コラーゲンや水分量が失われ(※)乾燥を招いてしまいます。
※参考:クロワッサン
10代〜20代の女性であれば、ムダ毛処理や生理用品による肌へのダメージが原因であることがほとんどです。
ここからは乾燥によって起こるデリケートゾーンのトラブルを解説するので、しっかりチェックしてください。
【トラブル①】水分不足や蒸れによる「かゆみ」

顔や頭皮が乾燥するとかゆみがでるように、デリケートゾーンも乾燥するとかゆみが出てきます。
デリケートゾーンは皮膚が薄いので、ひどい場合はヒリヒリと痛みを感じるケースも…。
しかも患部をかくことで肌に負担がかかり、デリケートゾーンの乾燥が悪化する負のスパイラルに陥ってしまいます。
通気性の悪い下着や、締め付けの強い服装にも注意が必要。
蒸れてかゆみがひどくなるので、乾燥が気になる時は通気性のいい格好を意識することも大切です。
【トラブル②】バリア機能低下による「黒ずみ」

デリケートゾーンの乾燥は、黒ずみの原因の1つ。
そもそも黒ずみの原因である「メラニン色素」は、本来肌を守る役割があります。
乾燥で肌のバリア機能が低下すると、肌を守るためにメラニン色素が過剰分泌されてしまいます。
過剰分泌されたメラニン色素が摩擦などの外部ダメージを受けると、色素沈着を起こして黒ずみになる…というワケです。
肌は潤いを失うとバリア機能が低下し、摩擦などにも弱くなります。実は粘膜より外側のデリケートゾーンは、乾燥しやすいので注意が必要です。
(出典:ココカラファイン)
もちろん黒ずみを解消したいからといって、ゴシゴシこすると刺激になりかねません。
脚の付け根やVIOゾーンの黒ずみを改善したいなら、保湿を心がけてくださいね。
【トラブル③】雑菌繁殖による「臭い」

デリケートゾーンを洗っていても、乾燥がひどくなると臭いが発生します。
これは乾燥で膣内・外の潤いがなくなると、ニオイの原因菌が繁殖しやすくなるから。
膣内やその周辺の潤いがなくなると“自浄作用※”も低下するので、余計にニオイが強くなるんです。
※デリケートゾーンを自然に清潔に保つ作用のこと。
臭いが強くなるとゴシゴシ洗いがちですが、洗いすぎは乾燥と自浄作用低下の原因になるので控えてください。
消臭効果のあるデリケートゾーン用の石けん・ソープでやさしく洗うのを心がけましょう。
デリケートゾーンの保湿ケアは市販薬でOK《クリーム・オイル・ワセリン》

デリケートゾーンの保湿は、基本的に市販薬でのケアで十分◎
保湿アイテムは、オーガニック系やデリケートゾーン専用のものがおすすめです。
- 馬油
- ヒルドイドクリームやローション
- 外陰部専用ジェル(アノワジェルなど)
- オーガニックな保湿クリーム
中でも保湿・美白に有効な成分が配合されていると、乾燥改善の効果アップしますよ。
トラネキサム酸やビタミンCやEの内服やハイドロキノン配合の美白剤の塗布を平行して行えばなお、効果はアップ。
(出典:mi-mollet)
ただし、これらの成分は外陰部の「皮膚」だけに塗るようにしてください。
外陰部の「粘膜」の部分には塗らないように気をつけましょう。
お風呂上がりは顔だけでなく、デリケートゾーンの保湿ケアも今日から習慣化していきましょう!
デリケートゾーンに使うなら、石油由来の化学成分が入っている保湿剤は避けましょう。
デリケートゾーンは皮膚が薄く、成分を吸収しやすい場所。
刺激の強い石油系成分を吸収しすぎてかゆみ・肌荒れを引き起こしかねません。
保湿剤でよく使われるベビーオイルやニベアは、石油由来のミネラルオイル配合なので要注意。
一部クリニックではデリケートゾーンへの使用を控えるよう注意喚起されています。
(参考:河崎医院)
できれば専用の保湿剤を揃えておくと安全ですよ。
【保湿のやり方】デリケートゾーンの乾燥改善の3ステップ
以下の流れを参考に、デリケートゾーンの保湿ケアをしてみてください。
- 弱酸性の専用ソープで洗う
- お湯に浸かって外陰部をやさしくマッサージ
- 保湿剤をコットンに染み込ませて塗布
まずはVIOゾーンをしっかり洗いましょう。
弱酸性のソープをつかい、泡でなでるように洗うのがポイント。
雑菌によるニオイや炎症を引き起こすのを避けられますよ。
また余裕があればお湯に浸かって、マッサージもしてみてください。
血流が良くなり、肌代謝の改善も期待できます。
入浴後はコットンに保湿ローションやオイルを染み込ませて、じわーと浸透させてうるおい補給。
この保湿ケアを1ヶ月ほど続ければ、潤いが戻ってくるのをしっかり実感できるはずです◎
かぶれ・かゆみの悪化がある時は皮膚科医を受診
デリケートゾーンが乾燥してかぶれたり、かゆみが続いたりするなら皮膚科または婦人科を受診しましょう。
上述したように、デリケートゾーンが乾燥するとバリア機能が低下。
外部刺激を受けやすくなり、「接触皮膚炎」という炎症を起こしかねません。
特にIゾーンや膣内のかゆみが続くようであれば、感染症に罹っている場合も….。
感染症が疑われる場合は婦人科を受診する必要があります。
- 性器ヘルペス
- 性器クラミジア
- 膣トリコモナス症
- 性器カンジダ症
また保湿ケアをしているのに乾燥が改善しない場合も、すぐに専門医に診てもらってください。
デリケートゾーンは皮膚が薄いので、乾燥を引き起こしやすい部位。
そのままにしていると黒ずみや臭いの原因になるので、保湿ケアを心がけてください◎
◎デリケートゾーンの乾燥改善に効く保湿剤・美容成分
- ヒルドイドローション&クリーム
- 外陰部専用ジェル(アノワジェル)
- オーガニックな保湿クリーム
またきちんと保湿しておけば、皮膚炎や感染症の発症も予防できます。
今のうちに対策しておけば、きっと将来「あの時保湿つづけてて良かった!」と思えるはずですよ。
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