ナイアシン・ニコチン酸アミドの11ヶの効果！フラッシュ症状は好転作用？

ナイアシンとは水溶性のビタミンB3の一種で、「若返りビタミン」とも呼ばれています。

「ニコチン酸アミド」という成分もありますが、こちらもナイアシンの一つです。

2018年にナイアシンの色素沈着・シワ改善に対する良好な効果が確認され、化粧品に積極的に取り入れられています。
※参考：局所ナイアシンアミドとトラネキサム酸の組み合わせによる治療後の顔面色素沈着過剰の減少

またサプリメントで摂取することで、

といった健康促進も期待できる成分です◎

今回はそんなナイアシン（ニコチン酸アミド）の効果や副作用を詳しくご紹介。

ナイアシンは肌やカラダの健康をサポートしてくれますが、正しく活用しないと副作用を引き起こします。
当ページにじっくり目を通して、ナイアシンを正しく活用していきましょう。

ナイアシンとは脳代謝やシワなどに有効な成分

冒頭でもお伝えした通りナイアシンとはビタミンB3の一つで、脳代謝やシミ・シワに有効なミネラルです。

ナイアシンは化粧品やサプリによって名称が変わりますが、

• ニコチン酸
• ニコチン酸アミド

これらを総称してナイアシンと呼びます。

そんなナイアシンは2018年に日本で、シワ改善有効成分として承認。
医薬部外品でシワ改善の有効成分として配合されている場合のみ、「ナイアシンアミド(ニコチン酸アミド)」と表示します。

ナイアシン不足によるニコチン酸欠乏症に注意

ナイアシンの1日の摂取目安量が以下の通りで、不足すると「ニコチン酸欠乏症」の危険があります。

ナイアシン(ニコチン酸)の欠乏症を引き起こすと、「下痢・皮膚炎・抑うつ状態・幻覚」などの症状がでてしまい、身体にとって欠かせないミネラル。
アルコール飲料をよく飲む方は特に欠乏症を起こしやすいので注意してください。

ただ1日の上限量は300mgとされており、上限量を越えると肝臓に負担がかかり健康障害を起こします。

健康維持のためとはいえ大量に摂取するのではなく、目安量を意識してナイアシンを摂ってください。

ナイアシン配合化粧品の効果4つ

上述でお伝えした通り、ナイアシンはシミやシワといった美肌づくりに効果的な成分。

ここでは上記で挙げているナイアシンの美肌効果を4つご紹介します。
※サプリなどの服用による効果は、美肌効果の後に解説しています。

①肌に潤いを与えてシワを改善する

上述したとおり、2018年にナイアシンはシワ改善の有効成分として承認。
詳しい試験結果は開示されていませんが、皮膚の「表皮」「真皮」の2つにアプローチする仕組みのようです。

角層の乾燥とコラーゲン減少を防ぐことで、ハリのある素肌を取り戻しシワを改善するというわけです。
(水分がなくなった花がシワシワになるように、人の皮膚も乾燥するとシワが増えます。)

ナイアシンそのものが肌を潤すというよりも、保湿機能をサポートするイメージ。
普段使っている保湿クリームと併用することで、より保湿機能によるシワ改善が期待できるでしょう。

【最新研究で判明】コラーゲンサプリ・化粧品の“効果ない”は覆される！

2020年7月10日

②色素沈着を抑えてシミやくすみを防ぐ

ナイアシン（ニコチン酸アミド）は、シミやくすみの予防にも効果的。

シミはメラニン色素が詰まった器官(メラノソール)が皮膚表面に転移することで表れます。
しかしナイアシンが上記の通り、メラノソームが皮膚表面に転移するのを35％〜68％阻害。

4週間使い続けると、色素沈着が減少して皮膚の明るさが増したと試験結果がでています。

またナイアシンはメラニン色素をつくる器官を消失させるわけではないので、「白斑」といったリスクはありません。

メラニン色素の過剰生成を防ぐだけなので、シミやくすみのない自然な肌の白さを取り戻せます。

③肌のバリア機能改善でニキビやアトピーを予防する

近年ではシワ改善とあわせて、ナイアシンのバリア機能の改善効果も見出されました。
※参考：皮膚の機能制御とスキンケア

肌のバリア機能をサポートすることで、ニキビやアトピーの予防にも効果を発揮。

皮膚には「セラミド」という水分保持に欠かせない成分があります。
このセラミドが不足すると肌の水分が減少し、外部刺激の影響を受けやすくなるんですね。
(参考：セラミドの本当の効果知ってる？意外と知らない種類やサプリとの違い)

ナイアシンはセミラドの合成を助ける作用があるので、効率よくセラミドを合成して肌のバリア機能を高められます。

ニキビができやすくなった方は、ナイアシン配合の美容液を活用するといいでしょう。

④アンチエイジング効果で若々しい素肌を保つ

ナイアシンには、

といった働きがあります。

これら2つの作用によってターンオーバーが活性化し、肌の老化防止にも効果を発揮。

(参考：ターンオーバーと美白の関係性とは？今すぐできる肌の生まれ変わりを助ける方法)

加えて上述でご紹介した「バリア機能アップ」の作用で外部刺激から肌が守られるので、肌の生まれ変わりが邪魔されることはありません。

正常なサイクルのターンオーバーが期待できるので、若々しい素肌を取り戻せます。

細胞の損傷は自力ではなかなか修復できないので、ナイアシンの力を借りて若返りサポートをしていきましょう。

ナイアシン配合サプリ・食材の効果7つ

ナイアシンはサプリなどでも販売されており、服用することで化粧品にはない7つの効果を期待できます。

上記の中でも精神安定や血管拡張によって、自律神経失調症やめまい、肩こりの改善にも効果的。
こういった様々な不調がナイアシンで改善されることを、「ナイアシンフラッシュ」といいます。

ナイアシンフラッシュは一時的にかゆみなどが生じるため、副作用と勘違いしている方も多いです。

あくまでも“好転作用”で、上記6つの効果が働きかけている証拠なんですね。
※ナイアシンフラッシュと副作用については後述で解説しています。

①精神安定による抗うつ効果や不眠症解消

ナイアシン服用の効果でもっともメジャーなのが精神安定作用。

神経細胞のはたらきをサポートし神伝達を安定にさせることで、

といった症状を緩和できます◎

また脳の代謝機能を高める作用もあるので、ポジティブな気分をコントロールするのにも役立つ成分です。

実際に統合失調症といった精神疾患の治療にも、ナイアシンは活用されています。
※参考：ふじかわ心療内科クリニック

ナイアシンが不足すると精神神経障害を引き起こすリスクもあるので、自律神経が乱れやすい方は意識して摂るといいでしょう。

②脂質代謝を高めてコレステロールを下げる

ナイアシンには脂質の代謝を高める働きがあるので、コレステロールを下げることができます。

また悪玉コレステロールの増加を防ぐだけでなく、善玉コレステロールを増やす作用もある優れものです。
※悪玉コレステロールは血管に溜まったり中性脂肪になり、善玉亜コレステロールは血管い張り付いたコレステロールを取り除きます。

HDLコレステロール値が低い患者には，スタチン治療でLDLコレステロール値が目標に達したら，ナイアシンのような薬剤を追加投与するのが妥当，との見解を示した。

(出典：頸動脈プラーク形成抑制効果：ナイアシンが有意に改善，エゼチミブは効果示せず)

このように「悪玉コレステロールが増加したらナイアシンを投与」という医療報告もされているので、その効果は治療にも使われるほど。

ナイアシンはコレステロール値を下げるだけでなく善玉コレステロールも増やしてくれるので、効率よくコレステロール値を下げることができます。

③エネルギー消費促進によるダイエット効果

ナイアシンは前述した「脂質代謝を高める」働きをはじめ、タンパク質などをエネルギーとして積極的に消費してくれる成分。

脂質や糖質などをどんどんエネルギーとして消費するようサポートするので、脂肪として蓄積されるのを防ぎます。

また筋肉を活性化する作用もあるので、引き締まった体づくりには欠かせません。

④アレルギー・花粉症の改善

アレルギーや花粉症改善の効果も、ナイアシンの有名な働きの一つ。

ナイアシンはアレルギー症状などの原因である「ヒスタミン」という物質を放出する働きがあります。
アレルギー体質の方はヒスタミン量が多いので、積極的にナイアシンで放出するといいでしょう。

放出されることで次第にヒスタミンは体内から減っていきます。

⑤血管拡張による脳梗塞などの予防

ナイアシンは血管を拡げるはたらきがあります。
血管が拡がることで血管がつまりにくくなるので、

• 脳梗塞
• 心筋梗塞

といった重大な病気の予防が期待できます。

「ニコランジル」という血管拡張の医薬品にもナイアシンが配合されており、医療の現場でも役立っている効果です。

⑥二日酔いの原因物質を分解する

二日酔いの原因は、体内でアルコール分解をするときに生まれる「アセトアルデヒド」という毒素。

ナイアシンはこのアセトアルデヒドを分解する効果があるので、二日酔い症状の緩和にも役立ちます。

身近な食材としては、

といった代表的なおつまみにナイアシンは含まれていますが、お酒の席だとわざわざ意識して食べるのは難しいでしょう。

飲み会が多い方は、日頃からナイアシンのサプリを摂取しておけば二日酔いの症状を抑えられます。

⑦筋肉細胞の修復と活性化

ナイアシンには、

といった2つの効果があるので、若々しい体づくりに大きな効果を発揮します。

マウス実験ではありますが高齢のマウスにナイアシンを投与したところ、筋肉の再活性化促進があるようだと発表されました。
※参考：東洋経済

筋トレで筋肉を増やしたい方はもちろん、加齢によって体を動かしにくくなった方にもナイアシンはおすすめです。

ナイアシンの効果的な摂取方法・飲み方

ナイアシン（ニコチン酸アミド）のサプリを効果的に飲むなら、以下2つを意識してみてください。

ナイアシンには血管拡張による血流改善の働きがあるので、血行が良くなっているお風呂上がりや運動後はおすすめできません。

血行が促進されすぎて、ナイアシンフラッシュの症状が重くなります。

またナイアシンはビタミンB3のひとつ。
ビタミンB3をはじめとするビタミンB群は、他のビタミンB群(B1、B2、B12など)と一緒に摂取することでお互いに効果を高めます。

ビタミンB群のサプリを摂ったり、B群を豊富に含む食事（肉類、魚類）を意識してみるのもいいでしょう。

ナイアシンの副作用とフラッシュ症状の注意点

上述でもお伝えしたようにナイアシンサプリは効果が発揮されるとナイアシンフラッシュが起こり、一時的に以下のような副作用がでる場合があります。

これらの症状はカラダの循環機能が改善しはじめたことによる“好転作用”。

好転作用はカラダの機能が良好になるときに起こる一時的な症状で、ナイアシンの副作用も60分程度で治ります。

また体内のヒスタミンがナイアシンによる次第に除去されることで、フラッシュ症状も落ち着いてくるので安心してください。
※アレルギー体質の方はヒスタミンが多いので、フラッシュ症状が出やすいです。

ヒスタミンが多くフラッシュ症状が重い方は、摂取量や飲む回数を減らすといいです。

ナイアシンを飲むと「かゆみ」が特に出やすいので、かゆくて仕方がない方は少しずつ摂取していきましょう。

ナイアシンサプリと薬を併用するなら医師へ相談

ナイアシンサプリは薬ではなくあくまでの健康サポートアイテムなので、基本的には他のサプリや薬と併用しても安全。

ただし薬によっては飲み合わせが悪い場合もあるので、薬を服用されている方は医師へ相談してください。

ナイアシンフラッシュで血行が良くなったりするので、

上記の効果がある薬やサプリとの併用は注意しましょう。

商品ごとに含有量も異なるので、無理なく続けられる量が配合されている商品を選ぶのもいいですね。

ナイアシン（ニコチン酸アミド）は美容成分としての効果だけでなく、服用によっても多くの健康効果をもった優秀な成分でした。

化粧品としては、シワやシミの改善に有効と認められているので積極的に活用していきたいですね。

サプリや薬による服用だと、ナイアシンフラッシュで一時的な副作用がでます。
好転作用でカラダの機能が改善している証拠なので、「健康に近づいてるな」と思っておきましょう。

美肌づくりだけでけでなく健康維持のためにも、ナイアシン・ニコチン酸アミドを活用してみてください。